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続いて続いて Imperial Wonders

Imperialwonders_icecoldenergy お待たせしたが、ようやくインペリアル・ワンダーズのCDの英文ライナーを訳したのでご報告する。

 どうもメンバーのアル・ボイドのインタビューをもとに書かれたもののようだ。60~70年代のインペリアル・ワンダーズのリーダーが彼だったかどうかは不明だが、現在のリーダーは彼なのだろう。

 とにかく彼にはテンプスのヒット曲を書いたり、ソング・ライティングの才能があった。しかしいくつかの作曲については印税を受け取っていないらしく、その不満はマスクマンとの対談(日本版解説)でも触れている。

 このライナーはインペリアル・ワンダーズの5枚の7インチについて書かれているので、以下を確認してからお読みいただきたい。

"Just A Dream / Zip-A・Doe-Do・Da" (Day-Wood 6901)
"That's Alright / Zip-A-Doe-Do-Dah" (Day-Wood 7105)
"Trying To Get To You / Nhen I Fall In Love"(Black Prince 317)
"You Live Only Once / Turned Around Over You" (Solid Foundation 101)
"Love Coming Down / My Baby" (Musicor 1477)


 "Just A Dream"、"Zip-a-Doe Do-dah"はもともとはレスター・マッケンジ-というソロ・シンガーが録音する筈の曲だった。Day-Woodレーベルをメルヴィン・ウッズと共に経営していたボブ・デイビスはこのレスターのバック・コーラスをインペリアル・ワンダーズに依頼した。
 インペリアル・ワンダーズは当時4人組として活動していた。オリジナル・メンバーであるロバート・ブルックスが徴兵されてからリーダー格をつとめていたケネディ・ホールマン(本名ソニー・トンプソン)もまた徴兵されてしまったためだった。
 録音のためのリハーサルはインペリアル・ワンダーズのメンバーの一人、エイバーン・ウェルズの家で行われたが、そこで彼らの素晴らしいハーモニーを聴いたレスターは自分をこのグループのメンバーにしてくれないかと頼み込んだ。
 こうして作られたレコードは"Just A Dream"がレスターのリード、"Zip-a-Doe Do-dah"はアル・ボイド、レオ・グリーンがリードとして歌った。

(訳注)この時点のメンバーは下記の通り
Lester (Jello) McKenzie
Al Boyd
Leon (Leo) H. Green
Walter H. Chaney
Avaughn Wells

 演奏はギターがエド・ブラウン、ケニー・ブラウン(グラディス・ナイト&ピップスの男とは別人)がベース、そしてドラムを叩いたのはルー・ラグランだった。


 Day-Woodからの2枚目のシングル"That's Alright"は60年代にオージェイズが歌った曲のカバーで、オージェイズのそれはジョージ・カーのプロデュースでBellからリリースされたものだ。


 3枚目のシングル"Trying To Get To You / When I Fall In Love"はルー・ラグランがプロデュースする予定だったが直前になってブラック・プリンス・レコードの総指揮をしていたウォーレン・レイナーが代わった。
  "Trying To Get To You"はインペリアル・ワンダーズのメンバーであるアルとウィルターがレコーディングのためにレスターを迎えに行き、彼が準備するのを待つ間に即席で作った曲だった。
 この日はB面の"When I Fall In Love"を録音する予定だったが、即席の "Trying~"を聴いたウォーレンはこの曲にはヒット性があると判断し、急遽録音が行われた。

 なおレコードのクレジットにはこの曲がメンバー5人の共作だとクレジットされているが、これはボブ・デイビスがレスターがメンバー全員で作ったと言ったことを真に受けてしまったためで、途中で間違いに気が付いたが差し替えが間に合わなかった。
 ただし"When I Fall In Love"をアレンジしたのはレスターだった。彼は作詞やアレンジの才能があり、クリーブランドで最も若手実力グループだったインペリアル・ワンダーズのこの曲に敢えて古典的なコーラス・アレンジを施した。
 "Trying To Get To You / When I Fall In Love"はレスターとエイバーンがリードを取り、アル、レスター、ウォルター、レオの4人がコーラスをつけている。全員がコーラスをつけている。
 演奏はエド・ブラウンがギター、ケニー・ブラウンがベース、ドラムはスティーブ・リー。


 4枚目の"Turned Around Over You / You Live Only Once"はオージェイズのエディ・リバートとウォルター・ウィリアムスが書いた曲。オージェイズの大出世作となるアルバム"Backstabbers"がちょうどリリースされた時期にあたる。
 さらに作曲に名を連ねているもう一人のボビー・デュークスはオージェイズのバンドのキーボード兼バック・ヴォーカルを勤める男だった。
 レーベルのソリッド・ファウンデーションはこのインペリアル・ワンダーズの曲でスタートしたが、この曲がオハイオの黒人ラジオ局でNo.1のヒットになると、優秀なスタッフ達が他に引き抜かれてしまった。そのくらいの人気だったのだ。
 "Turned Around Over You"でリードをとっているのはエイバーン・ウェルズ、ウォルター・チェイニーと新メンバーのラッセル・ワッツとジェイムス・スチュアート。バック・コーラスはここにアル・ボイドが加わっている。
 "You Live Only Once"は17歳のジェイムス・スチュアートがリードをとり、他のメンバーがバックコーラスをつけた。
 ソリッド・ソリューションは他に数枚のレコードをリリースしたが、このインペリアル・ワンダーズほどの出来のものはなかった。
 演奏はオージェイズのバンドのメンバー3人が参加している。ギターのラッセル・エバンス、キーボードのダン・ピアソン、ドラムのジャッキー・クーパー。ほかにベースがハーブ・プルーイット(7マイルス・ハイというバンドのメンバー)、 そしてビッグ・サム・ハリスがファズ・ギターを弾いている。


 "Love Coming Down"はアル・ボイドが書いた曲。彼がクリーブランドのローカルバンドS.O.U.L.(訳注:ラリー・ハンコックが歌っていたバンド)のために"This Time Around"を書いたのと同時期で、共にムジコーからリリースされた。
 しかしながらS.O.U.L.の"This Time Around"も、インペリアル・ワンダーズの"Love Coming Down"のどちらも作曲したアルにはロイヤリティを支払われなかった。
 "This Time Around"を含むS.O.U.L.は最近リイシューされた。作曲者としてアルのほかに何人かがクレジットされているが、その誰にもロイヤリティは支払われていない。
 "Love Coming Down"のリードはジェイムス・スチュアート。コーラスは第一テナーがアル・ボイド、セカンド・テナーがラッセル・ワッツ、 ウォルター・チェイニーがバリトン、エイバーン・ウェルズがベースパートを受け持っている。
 B面の"My Baby"はエイバーンとジェイムスがリード。
 このレコードのバック・トラックはニューヨークで録音された(ただし歌はクリーブランド録音)。
 キーボードのリチャード・ショーンを除きバンドの演奏者は不明。ホーンとストリングスはニューヨーク管弦楽団員が演奏している。
 この曲はアル・ボイドがテンプテーションズの大ヒットとなった "Shakey Ground"を作る直前に書かれたものだ。"Shakey Ground"はヴァン・マッコイ、エッタ・ジェームス、フォービー・スノウ、デルバート・マクリントン、フィッシュボーン、さらにはエルトン・ジョンにまでカバーされた有名曲。


 なにを言っているのかわからず割愛した部分があることをお断りしておく。しかしルー・ラグランまで登場し、クリーブランド・ソウルというのはごく小さな社会だということがわかる。

 またこれを読む限り、レオ・グリーンは途中で脱退したように思われる。彼が再復帰してTruthになったということか。謎は謎を呼び、わからないことが出てきた。

 ところで今日のジャケットはインペリアル・ワンダーズの新録。

Ice Cold Energy The Imperial Wonders (DYOB)-2005-

 ジャケットには3人しか写っていない。オージェイズの向こうを張ったつもりかもしれないが、ちょっと寂しいよね。

 

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Comments

ごくろうさまでした
非常に面白い話ですね。

あらためて「You Live Only Once」を聞いて、歌詞が何処かに転がってないかと探してみたら.....
Al Boydのインタビューなんてのが見つかりました。(Interviews 3 October 2002 and 23 December 2002)
Cleveland近辺のグループについても話してるようですが中程の話がちょうどこの訳と重なるのではないかと思います。
それともこの訳は一部分なんでしょうか?

The Rotationsは二人のリードシンガーがいたが酒屋での強盗事件で亡くなったとか....(当然自信無し)。他にもS.O.U.L.は当然としてThe Hesitations、Sly, Slick and Wicked、the Ambassadors .....

http://lifeandsoulinterviews.blogspot.com/2006/10/al-boyd-imperial-wonders.html

Posted by: adhista | March 04, 2008 at 10:18 PM

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