いいですよ~ Lola
このところのインディ系のサザン・ソウル新作群の流れから大きく逸脱しているわけではない。それらに共通するのは内容は悪くはないのだが、こちらが驚くような破綻がないこと。このアルバムがそれを突き破っているとまでは思わないが、その枠内ぎりぎりいっぱいまでは歌いきっている。
Give Her What She Wants Lola (Wil Be Wil2012-2)-2007-
まず気に入ったのが"I Can't See Myself"。タイロン・デイビス調のウォーキング・テンポだが、生音のバックといいLolaの歌といい気合いが入っている。
全盛期のサザン・ソウルとまではいかないが、80年代のマラコのデニス・ラサールに近いガッツがある。
レーベルはWilBe。任天堂のゲーム機みたいな名前だが、これはウィリアム・ベルの名からきている。そう、このアルバムのプロデューサーはウィリアム・ベルなのだ。
さらに彼は歌でも登場する。
"Shake Hands"でデュエットしているのが彼だろうか。なにか昔よりシャウターになっていて意外なのだが、それでもどこかに優しさを秘めたのは彼の持ち味だろう。途中までは平常心で聴いていたのだが、最後の歌いこみに心がぐっと傾いた。やっぱりソウルはいいなぁ。
というわけで、最近のサザン・ソウルなんて---と思っている方には、ぜひお試しいただきたいCDだ。これが気に入らなかったら、ほかを聴いても駄目だろう。それが確認できるだけでも損はないと思うよ。
The comments to this entry are closed.
Comments