チョコより甘い 甘茶Sweet Soul
僕は流通(小売)業界で働いている。この世界にも業界紙がいくつかあるが、最も知られるのが「繊研新聞」。いまとなっては、いかめしい名前だが、危ない内容の業界紙もあるなかではしっかりとしている。
この発行元の繊研新聞社が月刊で発行しているタブロイド紙(全カラー中綴じ16頁)が「h(アッシュ)」。
今月号はバレンタイン特集。
仕事柄、こいつを眺めていて、とある記事に「うっ!」となった。
チョコレートよりも甘くてビターなソウルミュージックをアッシュ編集室が紹介。今回は60's to 70'sの少し古いものを。
二人で聴けば甘過ぎて---なスタイリスティクスのデビュー盤(1)は甘茶ソウルの名作。一曲めの「Stop,Look,Listen (to your heart)」から夢見心地なムード全開のこのアルバムはトム・ベルの楽曲&プロデュースの最高峰だ。
続いてがモーメンツ。甘さ絶頂はアルバム(2)のタイトルチューンである「With You」。サビの「Loving you is easier than breathing」で腰が砕けること必至。
女性シンガーではシルビア。今や一般的に使われるようになった「Pillow Talk」(3)は恐らくこの曲から(!?)で、元祖エロカワ姐さんのハスキーボイスと息づかいにやられる。
少しテンポを上げたい向きにはフォートップスの「Loving you is sweeter than ever」(4)を。「君を好きになって僕の人生は最高にスイートだよ」というサビの作品は、スティービー・ワンダーによる楽曲で数多くのシンガーがカバーしているがベストはこれ。
ううむ。これは一体誰が書いているのか。
音楽専門のライターがいるほどのペーパーとは思えない(失礼)。編集(おそらくは外部委託)のメンバーが書いたのではないかと想像。
しかしなんとなく不思議じゃないですか。
「甘茶ソウル」という語句を持ち出すのは、ある程度ソウル関係の文章を読んだことのある人だろう。トム・ベルという名前が出てくるのもそうだし、シルビアをここで出してくるのは相当なもの。
ところが、細かいところになると、ちょいと怪しい記述があるし、フォートップスを甘茶として出してくるのは受け狙い(皆さんもDJやると、こういうネタは使いますよね)か、あるいは蛮勇か。
職場でにやにやと楽しんだので、おすそわけです。
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Comments
これ、Four Topsだけは、ジャケ写ベスト盤なんだね。
Posted by: masato | February 08, 2008 07:38 AM
masatoさん
そうですね。読者が気軽に入手できるという点での選択なのかなと思いますが、だったらスタイリスティックスもベストでいいわけだし---。
これを書いた人が持っているもの、というだけのような気もします。
Posted by: Sugar Pie Guy | February 08, 2008 03:17 PM
追記。
憶測ですが、これを書いたのはライターではなくデザイナーじゃないかな。
そしてその人物はイラストレーターとしての湯村輝彦氏に憧れて、ソウルの世界をかいま見てしまった。
もしかして武蔵美の卒業生---憶測というより妄想になってきました(笑)
Posted by: Sugar Pie Guy | February 11, 2008 09:44 AM
一般リスナーに取っては妥当な選曲でしょう。
でもシルビアって結構下の世代にも知れ渡ってますよ。
Amazonの寸評でも参考にしたのでは??
しかし、俺たちのオタ話は世間では通用しないって事ですね(苦笑)
Posted by: kazzz | February 11, 2008 04:05 PM