サム・クック系満載 Warm And Tender Love
もともとはP-VineがLP時代に出したものだが、今日とりあげるのはその強化版のCD。
Warm And Tender Love various (P-Vine PCD-24187)
ボビー・ロビンソンの仕事と言えばまずはブルースがあがる。エルモア・ジェームスを筆頭に50~60年代の重要作の一部分を彼が担っていた。
しかし同時に多くのドゥー・ワップ作品も残している。N.Y.という土地柄もあるだろうが、その感覚は大したものだ。
そしてその彼が60年代にソウルに関わる。ここでおもしろいのは彼は商売ももちろん考えていただろうが、「こういうサウンドを作りたい=売りたい」という確固な意志を持っていたということ。
それはずばりサム・クック・マナー。
そこに彼の審美眼にかなったシンガーをはめ込む。Staxからデビューする前のオーティス・レディングを聴いたものの契約しなかったという逸話があるが、それを「聴く耳がない」とするのは酷で、そのくらい基準が高かったのだと思う。実際"These Arms Of Mine"を聴くや、オーティスに連絡をとったという(もちろん後の祭りだったが)。
その結果として、素晴らしい作品群をソウルの歴史に残した。
ただ残念なのは、時代がサム・クックのフォロワーを望まなかったこと。彼が手がけたブルース、R&Bのなかではセールス的には見劣りすると言ってもいいかもしれない。
しかしソウル・ファンにとっては宝のような録音。ボビーがアーシー・ソウル(Earthy Soul)と呼ぶ音、それは即ちサザン・ソウルを核としたディープ・ソウル。
ウィリー・ハイタワー、キップ・アンダーソン、ジョニー・コープランドといった名の知れたシンガーはもちろんだが、リッキー・ルイス、ビリー・ハンブリック、ジミー・アームストロング、そしてもちろんハリソン・ブラザース!と、どこを聴いても何かがある。
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Comments
Bobby Robinsonのレパートリーは広い。
ライトニン、エルモアからウィルバート・ハリスン、バスター・ベントン、リー・ドーシーにグラディス・ナイト、ノーブル・ワッツにキング・カーティスと、、、
15年ほど前にキャプリコーンからCD3枚組のファイア/フューリーボックスが出ていましたがかっこいいR&Bが満載です。
Posted by: frisco | February 14, 2008 11:22 PM