失意の男倶楽部 Bobby Bland
ボビー・ブランド。ブルース/R&Bファンであれば、まずはDuke時代、さらにABC時代ということになるのだが、リアルタイムで聴き親しんだのは80年代後半以降のマラコ録音。
Best Of Bobby Bland On Malaco Bobby Bland (Victor VDP-5164)
これはマラコ前半のベストCD。
言わずと知れた"Members Only"で幕を開ける。サビの部分はキャロル・キングの"Will You Love Me Tomorrow"のパクリのような気もしないでもないが、やはり良い歌だ。
僕の知り合いのレコード屋の親父が、当時アメリカに買い付けに行ったときの話。
食事をしようと店に入ったら周りは黒人ばかり。場違いな日本人に奇異な視線が集まる。今更出ることもできず気まずくメニューをオーダーし、ふと見るとジュークボックスがある。「俺は黒人音楽ファンなんだ」ということをアピールできるチャンスかと曲を探すと、このボビー・ブランドの"Members Only"がある。コインを入れて選択。
"Members Only"のイントロが流れた瞬間、黒人たちから歓声が沸き、笑い顔になったそうだ。
ある時期、南部の黒人達のイコンともなった曲だということ。
そしてそれに並ぶバラードがこの時期のブランドには目白押し。
"Spending My Life With You"、"Second Hand Heart"などを聴くと、タイムスリップするような錯覚。
ソウルの旬の時代には間に合わなかった僕には、これらの曲こそリアルなサザンソウル体験だった。
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