デトロイト発日本経由 H.D.H.
僕はソウル・ミュージックの全盛期には立ち会えなかったが、日本がソウル研究の中心だった時代にはかろうじて間に合った。
たとえばこんな一枚が平然と出されていたのだ。
H.D.H.' Marvelous Collections various (Vivid VS-1060)
Invictus/Hot Wax音源。60年代Motownの出発の意志を正しく伝えた最高のレーベル。バリノ、エイスデイといったアルバム単位から漏れたもの(収録曲も含むが)のコンピレーション。
Can't Get Enough Of You / Tyrone Edwards
You Took Me From A World Outside / Tyrone Edwards
Give Me Just A Little More Time / Chairmen Of The Boad
Patches / Chairmen Of The Boad
(You've Got Me)Dangling On A String / Chairmen Of The Boad
Why Can't We Be Lovers / Holland-Dozier
New Breed Kinda Woman / Holland-Dozier
Want Ads / Honey Cone
The Day I Found Myself / Honey Cone
You Made Me Over / Melvin Davis
Colors Of Me Love / Silent Majority
Frightend Girl / Silent Majority
Something New About You / Silent Majority
That's Love / Hi-Lites
タイロン・エドワーズ!"Can't Get Enough Of You"はスティーブ・マンチャと並んで遜色のないノーザン・ディープ・ソウル(原盤はInvictus 1269)。
後年、鈴木啓志さんがこのタイロン・エドワーズ=タイロン・ピッケンズ=古くはトニー&タイロンなるデュオの片割れ=TNT名義もあり、という発見をして話題(狭いソウル・ファンの間だけだけれど)になった。
チェアメン、ハニー・コーンは普通に聴くことのできる音源だが、こういうコンピで聴くのはまた格別。
HDHの中核、Holland-Dozier、そして「ああ」と溜息をこぼさずにはいられないメルヴィン・デイビス。
そしてサイレント・マジョリティ、最後にハイ・ライツ。
全14曲とCD時代の今日からすればあっという間(曲も短いし)。しかし、こんなコンピで育つことができた僕らの世代のソウル・ファンは幸せだったとつくづく思う。
もちろんフリー・ソウルのCDで育った世代だってそれなりに幸せなんだろうけれど。
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