追悼 ノーマン Undisputed Truth
サイケデリックなサウンドでテンプテーションズを彩ったことでソウル界では名の知られたプロデューサー。
彼を偲んで、彼がテンプスと同じ、もしかしたらそれ以上に力を注いだアンディスピューテッド・トゥルースのアルバムを取り上げる。
The Undisputed Truth The Undisputed Truth (Gordy G955L)-1971-
モータウンは過去の偉大な録音を遺産としてCD化しているが、この20年間、いつも同じような顔ぶればかり出し直しているような気がする。このグループについてもベストが何種か出ているが、オリジナルLPのストレートリイシューは忘れられたままだと思う。
男一人に女二人という変わった編成。ポップスならフリートウッズがそうだが、ソウルでは珍しい。
男性のジョー・ハリスはフェブラス・ペップス出身、生粋のデトロイトのシンガーという訳だ。しかし声と唱法はシカゴのジェリー・バトラーに似ている。
ジェリー・バトラーの唱法のルーツはジャッキー・ウィルソンだろうと思う。そうだとするとジョー本人にしてみればジェリー・バトラーの真似じゃなくて、俺のは生粋のデトロイト・シンガーの歌いかただと言うかもしれない。
テンプスで言えばポール・ウィリアムスがこのタイプに属するように思う。
さて、このアルバムには彼らの唯一と言っていい大ヒット"Smiling Faces Sometimes"が収録されている。ベースを響かせたサイケデリックなサウンドはノーマン・ホウィットフィールドの真骨頂。
ノーマンの才能は決してサイケ一本に終始するものではなく、このアルバムも各曲バラエティに富んだ音作りとなっている。
そういえば同じく彼がプロデュースした、Masterpieceは最近CDになったんだっけ。
テンプスを含め、彼の仕事をまとめて聴きなおしたい気分になっている。それにしても寂しい報せが続く。
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Comments
>ジェリー・バトラーの唱法のルーツはジャッキー・ウィルソンだろう
これは意外な指摘、うーんと頭をかかえてしまったよ。
ブルック・ベントンとかルー・ロウルズならね〜
Mr. Excitement vs Ice Man なんだからさ、、、
Posted by: frisco | November 03, 2008 10:29 PM
friscoさん。
たしかに筆がすべってしまいましたね。
ジェリー・バトラーは古くからのバラディアの流れがベースにあって、しかしそこにソウルを加えているのはジャッキー・ウィルソンじゃないかと推察したのですが、時代がバッティングしていて的はずれだなと我ながら思う。
となるとこのジョー・ハリスの歌いかたはデトロイト云々とは関係ない、単にバトラー似というだけなのかな?
Posted by: Sugar Pie Guy | November 04, 2008 03:57 PM