山下達郎Liveに行ってきました
僕がはじめて彼のライブを観たのは1980年。ソロとしての初の全国ツアー、その名古屋公演。
以来29年、すべてのツアーを観てきた。
80年代は毎年ツアーがあった。90年代になりペースが落ち、そして21世紀になってからは全国ツアーはこれが二度目のはず。前回はRCA録音のアルバムがきちんとリマスターされ新しくCDになったことを記念してのRCA録音に特化したライブで、本来の山下達郎ライブツアーとしては21世紀初。
いろいろと思うことはあるのだが、この場ではやめておく。彼の音楽を分析し語ることは僕の音楽人生を総括するのに等しく、どれだけ書いたところで末はないから。
ただひとつ記しておくとすれば、僕は彼が創る音楽のすべてを受け入れるほどの盲目のファンではもうない(10代の頃はそうだった)。しかし、そうだとしても僕のアイドルとして唯一無二の存在であることは変わらない。
今回のツアーで特筆すべきなのは、バックバンドの質の高さ。1976年から彼の音楽を聴いている身として断言する。77年のライブアルバム"It's a poppin' time"のメンバーと拮抗できるバックがついに揃った。
山下達郎のバックバンドには厳しい注文がはいる。テクニックが高いことはもちろんだが、個性の強い彼の持ち味とぶつかる個性は邪魔なのだ。凡庸に陥らず我を張らない、そんなtoo highな基準をクリアした面々だ。
ライブでセットされた曲には若干の不満が残る。6年ぶりということで少し構えすぎているのでは。既に発表曲が300近い人なのでヒット中心になるのはいたしかたないと納得しようとしているところ。
ステージの最後に「最近はネットが盛んですが、掲示板やブログでセットリストのようなネタバレはご容赦ください」と言っていたこともあり詳細は記さないが、僕にとってのベストパフォーマンスは"Paperdoll"。
この曲のイントロのギターはずいぶんとこなれ、まさにカーティス・メイフィールドのよう。カーティスの名作アルバム"Live"を思わずにはいられなかった。
70年代、彼のサウンドにはシカゴの香りがあった。つかのまミシガン湖から吹き寄せる冷たい風を客席で感じた。
※画像は会場で売られているパンフレット。いつもにも増して資料性の高い内容でファンにはマストです。
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