おバカ映画 Austin Powers
昔の映画が好きなのは、単におもしろいから。現代のハリウッド映画はおしなべて筋書きが陳腐すぎて退屈になってくる。
ただし稀に現代の映画でも心に響くものがある。主にバカ映画である。
ここでいうバカ映画とは陳腐を通りすぎてバカにまで行ってしまったもの。
たとえば「タイタニック」という大ヒット映画は観ようによってはコメディである。語り部のお婆さんは、視点を変えればグラウチョ・マルクスのようだ。人々を翻弄し、勝手に喋りまくり、あろうことか現在の若者たちが財産と時間を費やして探している宝石をこっそり海中に捨てて、にやりと笑う----ねっ、全身が悪意でできているグラウチョそのものでしょ。
だが、その「タイタニック」を遠く引き離すバカ映画は日夜作られ続け、そういうのを観るのは楽しい。
さて今日取り上げるのはオースティン・パワーズのOST。
オースティン・パワーズは上記のバカ映画とは違った正真正銘に力のみなぎった傑作だが、そのルーツは60年代のバカ映画にある。
試しにショーン・コネリーが演じた時代の007を観ていただきたい。殆どバカ映画。特に日本を舞台にした「007は二度死ぬ」はバカ映画の金字塔。僕の大好きな映画である。
スパイ映画はそもそも、「電撃フリント」(ジェームス・コバーン!)、「ナポレオン・ソロ」、さらに「それゆけスマート」。おまけにオースティン・パワーズの元ネタに近い、デヴィッド・ニーヴンが引退した007を演じた「カジノ・ロワイヤル」など、おバカ映画の宝庫。皆大好きだ。
だいたいスパイという存在がかっこいい筈がなく、それをかっこよく描くという発想からしてバカ。
The Spy Who Shegged Me OST (Maverick WPCR-10406)-1999-
マドンナの歌う主題歌、フーの"My Generation"の未発表BBCライブ音源など聞き物がいっぱいだが、なんといっても原作者バート・バカラックのピアノの伴奏でエルビス・コステロが歌う"I'll Never Fall In Love Again"が素晴らしい。この一曲のために僕はこのCDを買った。
もちろんオースティン・パワーズのテーマであるクインシー・ジョーンズの"Soul Bossa Nova"のリミックス(マイク・マイヤーズの叫び入り)も楽しめます。
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Comments
限定版のビロード仕様のジャケがまた良いんですよ。
スザンナ・ホブスが好きな物でついつい、DVDも(笑)
Posted by: kazzz | March 26, 2009 10:51 AM