ナマコジャケ Michael Orr
同じようにこのジャケットのレコードを見て、最初に聴いてみようと思ったソウル・ファンは偉いと思う。
Spread Love Michael Orr (SUNSTAR 2901)
アラジンの魔法のランプから現れた魔法使いが、下手くそなイラストで描かれている。そのインパクトは相当だが、そもそもどういう神経でこれをLPのジャケットにしようと思ったのだろう。
アーティスト名についても謎がある。"Michael Orr presents Spread Love"と記載されており、Michael Orr単独のソロ作なのか、Spread Loveというグループなのか、よくわからない。
さらに収録曲の一部がシングルではHarris & Orr名義で出ているというのも謎を深める。しかしこういう謎はこちら(ソウルファン)が思うほど深くはなくて、その場その場で適当にやっていく黒人のノリに過ぎないのだろう。そう考えればジャケットの奇っ怪さも納得できるように思う。
Michael Orr(リードを取っているのがこの人だとして)の声は太いだけで、あまりうまいとは思わないが、メロウな曲に乗ると味がある。ギル・スコット・ヘロンみたいな感じ。
まずは"Here I Go"。これぞモダンソウルというナイス・グルーヴ。
続くバラード"Feelings"もスウィートでよろしいでしょう。
その他、傑作とまではいかないが、悪くはないメロウ&グルーヴな曲たち。レア盤とされているレコードだが、ちょっと前にCDになり聴くことができた。CDにはボーナス・トラックが3曲追加されているし、定価でCDを買うのが吉。
ところで最初の話題。
つらつらと考えてみたが、このレコードを聴いてみようと思ったソウル・ファンより、やはりナマコを最初に喰った人のほうが偉い。
まず、食い物だから生き死にに関わってくる。
それを乗り越えても、ナマコのうまさは容易にはわかるまいと思う。
もしかして「人類の夜明け」の時代に黒いぬり壁が現れて「月を見るもの」にナマコを喰えと教えたのかもしれない。もちろん酢醤油を与え、いやもしかしたら大根おろしも持たせたかもしれない。そんな映画を観たような記憶がある。
ともあれ僕はナマコが大好きだ。
残念なことにナマコの季節も終わった。この"Spread Love"を聴きながら、ナマコをつまみに燗酒をちびちびやるという時間はしばらくお預け。
The comments to this entry are closed.
Comments