Harvey Scales "Somebody Else's Somebody"
これが現在のところ彼の最新作ということになると思う。
Somebody Else's Somebody Harvey Scales (4-Sight FS-5546-2)-1997-
時期的に、ブルースを少しおりまぜている。ただそれが得意じゃないことは本人も理解しているのだろう、ほんの僅か。
そうした背景も踏まえ、さらにただでさえヨレ声の歌の力は落ちていると書くと、つまらないお皿のように思われるかもしれないが、なかなかどうして良い。
タイトル曲"Somebody Else's Somebody"や"Giving U What U Want"など、そのヨレ声がなんとも味わいを出している。暖かい人柄が伝わってきて僕は気に入っている。
もちろん、会ったこともないのに人柄が暖かいかどうか知るはずがない。実際は薬漬けの凶悪な男なのかもしれない(違ったらスマン)が、架空の人柄を歌で作り出すのが芸。
つまり、自分の生き方を素直に伝えるのも、あるいは虚の姿を現出せしめるのも、どちらにしても歌の芸で、ヨレていたって芸力はなかなかのものだということ。
ハーヴェイの歌はボビー・ウォマックに似ているが、曲によってはボビー以上の魅力を出す。このアルバムにはウィルソン・ピケットが歌った不朽の名作"I'm In Love"のカバーが入っている。作者のボビー自身も録音しているが、小さくまとまりすぎている感がある。むしろヨレまくったここでのハーヴェイのカバーが僕は好きだ。オリー・ナイチンゲールの超絶カバーの次席に座っていただこうと思う。
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