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よしなしごと Michael Jackson

Jackson5_1st とりあえずマイケル・ジャクソンについて書いておく。

 前もってお断りしておくが、マイケルのファンはもちろん、広くソウル・ファンの皆さんにとっても、読んでも何の益もない戯れ言である。

 マイケル・ジャクソンは今年2009年6月25日に亡くなった。
 音楽スターの死としては、エルヴィス(1977年8月16日)、ジョン・レノン(1980年12月8日)と並ぶメモリアル・デイとなるだろう。

 ちょうどこの週の日曜日(28日)の山下達郎のラジオ・プログラム「サンデー・ソングブック」が10数年ぶりのMotown特集だった。達郎は最近邦訳がついに出たマーヴィン・ゲイの伝記を引き合いに出しながらジャクソン5の曲をかけ「マイケル・ジャクソンはマーヴィン・ゲイ同様にアメリカの芸能界の地獄で燃え尽きてしまいました」と哀悼のコメントをした。

 ジャクソン5時代からソロまでを通じマイケル・ジャクソンとはどんな存在だったのか。これについては今後様々に語られていく。それによって正しい理解が深まることもあれば、荒唐無稽な都市伝説も残っていくだろう。


 さて日本のマスコミの馬鹿さ加減をいまさら言ってもしかたがないとは思う。我々は我々の分にあわせたマスコミしか持ち得ない、日本のマスコミの馬鹿さは日本人の民度そのものだ。

 それにしても、なぜマイケルがスーパースターとなったのか、ポピュラーミュージックあるいはソウル/R&Bという音楽のなかでマイケルはどんなポジションにいたのか、そうしたことをまとめることにマスコミは全く興味を示さない。
 どんなことでも「○○評論家」をスタジオにゲストとして招くくせに、まともな音楽評論家を呼んだり意見を聞いたりということをしない。(そのなかで唯一、湯川れい子さんが活躍していた。幅広い活動をした方だが、彼女は音楽コメンテーターであって評論家とは言えないだろう)

 つまり特にTVマスコミは芸能を低く見ている。もしくは芸能は自らのお家芸であり、小難しい空論を唱える評論家など不要だと思っているのだろう。


 昨日(7月6日)の産経新聞に気にかかる記事があった。

 「マイケル・ジャクソンさんの死」と題したもので、ソースはニューヨーク・タイムスに依っているように読める。以下の部分も同紙に掲載されたのだろうか。

 ミズーリ州セントルイスの大学教授は「ジャクソンさんが自らを"キング・オブ・ポップス"と称したのは大胆不敵な行動だった」とたたえる。"キング・オブ・ロックンロール"が白人のプレスリーだったように、"キング"は必ず白人だった」。ジャクソンさんはそれを打ち破ったというわけだ。

 あやしい記事だなぁ、というのが第一印象。
 「ミズーリ州セントルイスの大学教授」という肩書だけがあって名前が出ていないのがうさんくさい。これはネタ元にあったものを不要として産経新聞がカットしただけかもしれないけれど。

 「大学教授」という表現は世の中の胡散臭いものの第一等。医学教授が経済を語ってもそれは素人。大学の先生が世間の常識に疎いことはむしろ美徳だから、専門外についてはトンチンカンなことが多い。

 で、この記事で一番ひっかかるのがマイケルが「自らを"キング・オブ・ポップス"と称した」というくだり。僕の印象ではそういう大言壮語ができない腺病質な人だと思い、ネットで出典を調べたがはっきりしない。

 自称か他称かが大切なポイントだが、それはさておくとしても「"キング"は必ず白人だった」というくだりには失笑してしまった。

 あのねぇ。ジャズの世界ではマイルス・デイビスはずっと「帝王」だったんだよ。

 マイルスの"キング"が自称か他称かは知らない。おそらく他称だろう。そんなことを意に介さないのが本当のキングだから。

 いっぽう間違いなく自称した黒人もいる。
 有名なところではモハメド・アリ。
 音楽ではジェームス・ブラウン。

 JBについて、Mr.Presidentとは自称しているけれど、Kingなんて言ったっけと思う方に補足しておく。JBがキングと名乗らなかったのはKINGレコードに所属していたからというのが、笑えるようで本当のところじゃないかと思ってる。間違いないのは初期のステージに、ソロモン・バークを招き呼び、ステージ上でソロモンから王冠を自分の頭にかぶせる儀式をパフォーマンスとして行っていたということ。
 さらに補足しておくと、ソロモン・バークは名前からしてソロモン王(キング・ソロモン)を連想させ、実際60年代初期にはR&Bの世界の王の一人だった。その男から王冠を授けられることにより「ソウルの世界の王はオレ様だ」ということをJBはアピールしたわけ。

 という次第で、この記事は、もう一筆入れないければならない。

 アメリカにおいて「ポピュラーミュージック」は常に白人が主導だった。黒人のパフォーマー、たとえばナット・キング・コールは適度に黒人臭さを抑制することでそのマーケットに受け入れられた。ルイ・アームストロングや、ルイ・ジョーダンは音楽の本質とは少しずれたコミカルな部分でのみそのマーケットに食い入ることができた。サミー・デイビスJr.もそうだろう。

 しかし60年代以降のアメリカ社会はマーケットが非白人にも拡大した。白人だけのスター、黒人だけのスターではポピュラーミュージックのキングとなることはできなくなった。
 マイケル・ジャクソンは、人種など関係なく幅広いファン層を獲得することでキング・オブ・ポップスとなった。

 むしろここで言われるべきは世代や環境(たとえば経済環境、教育環境など)へのアピールなのだと思う。幅広い世代や環境にいるアメリカ人にアピールしなければキング・オブ・ポップスにはなれない。
 マイケル・ジャクソンは「黒人なのにキングになった」から偉大なのではなく、全世界の多くの人々の歓心を惹きつけることができたからキングなのだ。

 さらに彼の人気は彼一人だけで作られたものではない。ソロになってからでもクインシー・ジョーンズ、ジョン・ランディスをはじめ人種を超えた才能が集まった結晶だった。


 音楽の好みは十人十色。やはり僕はソロのマイケルより、ジャクソン5~ザ・ジャクソンズのリードだった頃のマイケルが好きだ。

 そもそも僕はオカマ声(ファルセット)が大好きで、それについでキッズ声も好きなのだ。

 黒人のキッズ・スターと言えば、ザ・ティーンネージャーズのフランキー・ライモンに象徴されるように、声変わりをうまく乗り切れず、人気が失速、不遇の青春を迎えるというパターンが多い。
 マイケル・ジャクソンがそうならなかったのは、幸いにしてマイケルが大人になっても子供声だったからだと思う。

 ここで唐突に日本のキッズ・グループを。
 沖縄出身のFolder(Folder 5)。

 歌、巧いよね。
 さらにこの楽曲の完璧さ。70年代のモータウンが放った最高傑作の一つだと思う。(このFolderのカバーのバックは完全なモータウンサウンドの再現となっている)


 さらに唐突に足利事件
 冤罪となったSさんの人生について、本当に憤りを覚える。

 尊敬するジャーナリストである日垣隆さんのサイトには、冤罪が晴れる前の日垣さんの文筆がPDFで残されている。

 やりきれないのは、当初、Sさんの自宅を家宅捜索したところ「ロリコン・ビデオが押収された」と警察が発表したということ。公式発表ではなく記者へのリークだったのかもしれないが、とにかくその風評がマスコミを通じ広く信じられた。
 ところが事実はSさんにそんな趣味は一切なく、もちろんそんなビデオや写真集など所有していなかった。

 ※エロビデオはあった。ただしSさんは独身男性(過去に結婚経験はある)。世の男性諸君、家宅捜索を受けてエロビデオの一本もないようでは、それこそ沽券に関わるではないか。

 恐ろしい話だ。

 なぜなら僕が家宅捜索を受ければ、キッズ系のコーラス・グループのレコードがあるからだ。全くの濡れ衣のSさんの比ではない。
 オカマ系もある。
 なにより、エロ・ジャケが部屋に飾ってある。

 電車で痴漢と疑われ家宅捜索されたら大変なことになる。(いや女性には興味ないんです、という言い訳はできるかな。でも訴えた相手が男の子だったら万事休すだ!)


 マイケルさん、ごめんなさい。長々と書いたオチがこんなんで。
 だからファンの方は読むのはおよしなさいと冒頭で断ったでしょ。

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Comments

はじめまして mamboでーす。
昨日はお世話になりました。
久しぶりの気持ちの良いStep踏めて満足でした。
終電さえなけりゃ、あのまんま朝まで踊っていたかも?

しかし勝手に盛り上がってスンマセン。

機会があったら踊りに行きましょね。

しかし、Folder、とっても心地良いですね。
Youtubeで他のをいろいろみましたが、Folder時代がやっぱりGood!
最近のはバスの使い方が悪いです。
大地のキャラが死んでる感じかな?

Posted by: mambo | July 09, 2009 at 12:46 AM

mamboさん

manmoさんのような大先輩直々に「捨て婦」じゃない、ステップを教わり感激です。

今後もよろしくご指導、腰のひねりをお願いいたします。

Posted by: Sugar Pie Guy | July 11, 2009 at 08:02 AM

初めまして。
大知君(本名に改名)はライブに行くとかなりの衝撃を受けます。
録音技術なのかどうかわかりませんが、CDではあまり感銘を受けないかもしれません。
CDだとイマイチなんです。ただライブはだいぶ違います。
子どもの頃のカリスマ度は確かに薄まった気がしますけど、22歳になった今も天才肌なのは健在で、更に非常に努力家だと感じます。
ダンスもバックダンサーが負けそうになる位です。歌って踊れる大知君です。
機会あれば是非ライブに是非行って見られては。
ただ一番近い東京ライブは完売です。
これからも成長していくのでは?と感じます。
あと非常に礼儀正しさと謙虚さを持っているようで、彼と仕事をした人が大変絶賛するのをよく見かけます。
で、最近の盛りあがったライブ
http://www.youtube.com/watch?v=EdbTTq295Ms
4:20頃からが最高潮です。

Posted by: mm | November 11, 2009 at 02:32 AM

mmさん

情報ありがとうございました。
映像も鑑賞いたしました。盛り上がってますね~

Posted by: Sugar Pie Guy | November 17, 2009 at 08:20 AM

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