Averag White Band "Benny And Us"
アベレージ・ホワイト・バンドにベン・E・キングがフィーチャリング・シンガーとして参加した作品。
Benny And Us Average White Band with Ben E. King (Atlantic SD19105)-1977-
なんでもツアーで巡り会った両者が意気投合してアルバムを録音することになったとか。ややダル気味のサウンドが心地よいアベレージ・ホワイト・バンドをバックに、ベン・Eが気持ちよさそうに歌う。
というわけで、このお皿を取り上げる気になったのは、まずベン・Eの傑作の一つであるから。ベン・Eと言えば、まず"Stand By Me"、次に70年代のヒット曲"Supernatural"というのは間違っていないが、それだけで終わってはあまりにもったいない---ということは、76年の"I Had A Love"の紹介のときに書いた。
その傑作の勢いそのままの好盤が77年の本作というわけ。
さらに、もう一つ、このアルバムには、何とも不思議な曲(と思うのは僕だけか)が入っている。ベン・Eがタイロン・デイビスそっくりに歌うのだ。
「タイロン調」とでも呼ぶべきグルーヴについても、ちょい前に書いていて、じゃあこんなのはどうかなと。
というわけでまずはお聴きいただこう。
Fool For You Anyway / Average White Band with Ben E. King
最初の一声「Woo,Baby」がタイロンでしょ。その後の猫なで声シンギングもタイロン。
ベン・EといえばN.Y.のシンガー。その彼までが(シカゴの)タイロンをなぞるとは、いかにこの唱法が黒人にとって心地よいかということではないかと思う。
しかしベン・Eはいいシンガーだなぁ。
せっかくこのアルバムを取り上げたのだから、イキの良いのも一曲入れておく。プリンス・フィリップ・ミッチェル作らしいエモーショナルなメロディ。
A Star In The Ghetto / Average White Band with Ben E. King
まったく70年代から80年代のベン・Eもまた魅力的だ。
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