【USBDG 003】 Jackie Wilson
※毎週末はUSBDG紹介です。USBDGについてはこちらをご参照ください
蛇のようにしなやかで、ベルベットのように艶やかなその唱法。
彼の存在なくしてデトロイト・ソウルは語れない。それは即ち「ノーザン・ソウルは」、さらに「ソウルは」と拡大していく。
Baby Workout Jackie Wilson (Brunswick BL-54110)-1963-
ビリー・ワード&ザ・ドミノスでのキャリアから、初期の"Reet Petite"、"Lonely Teardrops"といったロックンロール時代のR&Bを経て、ソウル・ミュージックの誕生期のダンスアルバム。
息つく暇を与えぬほどの完全無欠なリズム・ナンバー。その底に腹黒く横たわるソウル。ジャッキー・ウィルソンはソウル史上最高のシンガーだ。
ただ彼は歌がうますぎるがゆえに、聞き手と一緒になって泣いてはくれない。泣き節が好きな日本のソウル・ファンにとって、それが彼を声高に賞賛できない障壁となっていたのだと思う。
だが、21世紀の今であればジャッキー・ウィルソンを正当に評価するのは(聴きさえすれば)容易だろう。
少なからぬ彼の録音はドミノス時代(KING)を除き、すべてBrunswick。Rhinoがまとめた3枚続きのベストCD"Mr. Excitement!"の全72曲は彼の全貌を知るのに便利。New York録音にターゲットをしぼったCharlyのCD2種、ソウル時代にフォーカスしたKentのCDも素晴らしい。
英米のマニアックなリイシュー・レーベル3社に取り上げられたシンガーなんてジャッキー・ウィルソン以外にいるだろうか?
USBDGを特集していくにあたり、前から興味を持っていたimeemにサインナップした。やはり聴いてもらうのが一番でしょう。
【追記】
満を持してimeemを使ってみたが、ちょうどこのタイミングで、著作権保護の丁寧な措置がとられ第三者は30秒しか聴くことができなくなった。しかたなくDivShareを使ってみようと思う。そちらもいつまで続くかわからないが。
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