【USBDG 006】 Brook Benton
※毎週末はUSBDG紹介です。USBDGについてはこちらをご参照ください
ベントンは59年から62年の間に、ヒット・チャートに立て続けに10曲をベスト10入りさせている。うち4曲はベスト1だ。
His Greatest Hits Brook Benton (Mercury 822 321-1 M-1)
正直なところ、これらの曲がソウル・ミュージックだとは思わない。
これがなぜUSBDG=「U.S. Black Disk Guide」の第一章「ソウルのパイオニアたち」に掲載されているのか自分なりに考えてみた。
ソウル・ミュージックにも様々な顔があるが、ポピュラー・ミュージックの一部であり、レコードを売る=ヒットを狙うという部分は絶対的にある。
広範なセールスを狙うのか、ニッチながら手堅いセールスを狙うのかという戦略の差はあるが、レコードを売りたい=売ることによって末永く音楽活動を続けたいという欲望なしにはソウル・ミュージックも成立しない。
ベントンはその成功者であり、50年代末期から60年代の黒人シンガーたちは、この成功をもちろん大きく意識し参考にした筈だ。
皮肉な言い方をすれば、ベントンが敢えて出さなかったフィーリングを、どの程度まぶしていくのか、が肝要だったのかもしれない。
う~ん、我ながら苦しい展開になったが、もちろんソウルだけが偉いわけはない。どんな音楽もそれぞれ素晴らしい。
ベントンのベストを聴いていると、50年代末のほんわかとしたアメリカン・ドリーミーな世界に浸ることができる。カントリー調のものもあり、ブラック・ミュージックとカントリー・ミュージックの遠くて近い関係に思いをはせるのも一興。
有名曲とえいば"It's Just A Matter Of Time"だが、それではおもしろくないので今日はこれを選んで音貼りしておく。
Hotel Happiness / Brook Benton
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Comments
>ブラック・ミュージックとカントリー・ミュージックの遠くて近い関係
いや、まったく遠くないと思いますよ。
遠くて近い関係というのは言えてますね。
Posted by: Masato | August 23, 2009 08:12 AM