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時事コラム CDが売れない

Elvis_golden 今回は時事コラム。オリコンチャートが大変なことになっている。

 まずは下記のニュースをご覧いただきたい。

オリコンシングルチャート、20位が史上初の3000枚割れ…59位からは売上1000枚に満たず

今週のオリコン週間シングルチャートが、今春に見られた低レベルチャートを超える異常事態を迎えた。
今週の20位に入ったsupercell「君の知らない物語」の売上はなんとわずか2975枚であり、オリコン史上初めてトップ20ボーダーの売上が3000枚を割った。また、30位の売上も1760枚で、同じく史上最低記録を更新した。

 この事態が、単にシングルだけの話とは思えない。アルバムCDだけが売れまくっているとは考えられない。

 時代によって人とポピュラーミュージックの関わり方は変わってきた。
 
 よく、音楽業界が音楽を駄目にしたという論調があるが、それは違うと思う。

 僕が中学生の頃、LPレコードは邦楽が1500円、洋楽が2000円だった。それが高校生の頃には洋邦の差はなくなり、どちらも2300円になった。(若干違うかもしれないが、まあそんなあたりだ)。

 ところが現在のCDアルバムの価格はこれと同じか安いくらい。

 中学生の頃、昼の弁当代を節約して月に一枚のLPを買っていた。しかし今の中学生だったら3日節約すれば一枚のCDを買うことができる。

 これは音楽業界の企業努力の結果だろう。製作、流通、在庫のコストを抑え、物価に対する価格上昇を防いできた。

 だがその背後で薄利多売の経営になっていることは当然で、今日のニュースにあったような売れ行きでは経営は相当に苦しい筈だ。

 誰が悪いわけではない。

 だが誰が悪いわけではない、ということは、抜本的にこの流れを変えることができないということだ。

 音楽業界は衰退産業なのだと思う。

 しかし、音楽そのものがなくなることはないし、なんらかの形で商品であり続ける。

 たとえばCDもなくなり、ネットからダウンロードするだけになるかもしれない。そのとき企業広告を数分試聴すれば音楽は無料になっているかもしれない(しかし、それでもそこで音楽は対価を稼いでいる)。

 素晴らしい楽曲や演奏は人の心を動かす。人はそのためなら正当な対価を支払う。

 シンプルなこの原理は変わらないと信じる。

※今日の画像はエルビス・プレスリーの初期のベスト。ゴールドディスク曲ばかりです。

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Comments

> これは音楽業界の企業努力の結果だろう。製作、流通、在庫のコストを抑え、物価に対する価格上昇を防いできた。

この事は確かに其の通りですね。
他の品目に比べたら素晴らしいと思います。
ただこの企業努力が往々にしてミスリードをして来た事も事実であり
リスナーの音楽離れも多かったのではないかと思います。

現時点ではiTunesへの楽曲の提供を怠っているソ○ーを中心に
リィシューに高額の対価を設定する動きには疑問をいだきます。

>素晴らしい楽曲や演奏は人の心を動かす。人はそのためなら正当な対価を支払う。

企業の想定する正当な対価とリスナーの対価に開きがある事が残念です。
リスナーにとって音楽は選択肢の一つでしかないのですから。
音楽系のブログはこの点に関して重要な役割を果たすものと考えます。
ですからWikiでリンク集をやってる訳ですけど。

Posted by: ad (adhista) | September 27, 2009 11:29 AM

adさん

結局、音楽ビジネスが大きくなってしまったからなんだと思います。
それにつれ、レコード会社で働く人が多くなり、その人件費分を稼がなければならない。

レコード会社で働く人のなかには、売れないことがわかっていても良質の音源をリリースし続けてくれた人もたくさんいたわけだし、それぞれ音楽への愛情があった。

ただどこかで狂った歯車の動きはもう元には戻せない、ということでしょう。

Posted by: Sugar Pie Guy | September 27, 2009 02:15 PM

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