訃報 Johnny Carter
迂闊にもそれを知ったのは昨日。ネットから記事を引用する。
アメリカのヴォーカル・グループ、デルズのメンバーとして知られるジョニー・カーターが8月21日、肺がんのためイリノイ州ハーヴェイの病院で死去した。享年75歳。
1934年にイリノイ州ハーヴェイに生まれたジョニー・カーターは、1952年に聖歌隊の仲間と共にドゥーワップ・グループ、フラミンゴスを結成。“Golden Teardrops”といったヒット曲を生み出すものの、1957年に兵役のために脱退。1960年にはジョニー・ファンチェスの後任としてデルズに加入し、グループは、カーターの美しいファルセットとマーヴィン・ジュニアのバリトン・ヴォイスを武器に次々とヒット曲を放ち、その地位を揺るぎないものとした。その後も息の長い活動を展開し、2004年には〈Rock And Roll Hall Of Fame(ロックの殿堂)〉入りを果たしている。
デルズは僕にとって、なんとも扱いにくいグループだった。
圧倒的な存在感、しかしそれゆえに、アルバム一枚を聴き通すとへとへとに疲れてしまう。
その印象は、1989年の来日ステージを観て変わった。
そこにいたのは、力の限り観客を楽しませようとする、根っからの芸人たちのパフォーマンス。
識者には前回の来日時から力が落ちたと評されたが、僕には充分だった。
そしてその頃からデルズは何回目かの絶頂期を迎える。90年代に出された録音を、70年代の諸作と比べるのは酷だが、しかし凡百を凌駕する力に満ちていた。
ジョニー・カーターのことを思いながら、なにを聴こうかとしばし迷った。
選んだのはあまりに普通のチョイス。Cadetでの"Mighty Mighty Dells"。
ジョニーはかって南部でO.V.ライトとゴスペル・グループを組むんでいたと読んだことがある。
50年代にはフラミンゴスに参加。
そしてデルズ。
ゴスペル~ドゥー・ワップ~ソウル、R&Bの変遷を生き抜いた、稀有なハイテナー・シンガーだった。
彼はいまはどこで歌っているのだろう。
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