The Dells "They Said It Couldn't Be Done But We Did It..."
コーラス・グループの最高峰であるデルズ。
シカゴのグループでありながら、その重厚さはデトロイトっぽい。そんな印象を持ってしまうのはドン・デイビスが制作に絡んだ諸作の印象が強いからだろう。
だが、そのデルズがフィリーで録音したら?
ええっと、それってテディ・ペンダーグラスがリードをとるハロルド・メルヴィン&ブルーノーツの音になっちゃうんじゃないの?という予測は---まさに当たり。
They Said It Couldn't Be Done But We Did It... The Dells (Mercury 1145)-1977-
テディをリードとしたブルーノーツが手本としたのがデルズだった。その先生がフィリーを詣でるのだから、スタイルはまさに「そのまま」。
バックも全盛期のフィリー。
ノーマン・ハリス、ボビー・イーライがギター、パーカッションにラリー・ワシントン、そしてもちろんドラムは僕のアイドル、アール・ヤングだ。
だが決定的に異なるところもある。ブルーノーツをプロデュースしたのがギャンブル&ハフなのに対し、こちらはノーマン・ハリス、そしてロン・タイソン。
ロンはラブ・コミッティ在籍時で、代表作"Low & Oeder"を出したのと同時期。
つまりサウンドはラブ・コミッティ、コーラス・スタイルはブルーノーツ(いやデルズが本家なのだが)という妙が味わえる。
なにはともあれ一曲。
ラブ・コミッティのようでもあり、ブルーノーツのようでもある、その両方の魅力を実力では一等勝るデルズが歌う。悪いはずがない。
Our Love / The Dells
このほか全曲が聴かせる。フィリーダンサーあり、バラードあり、さらに"Get On Down"はアール・ヤング&ノーマン・ハリス他の演奏がたっぷりと聴ける、僕にとって最高の曲。
デルズと言えば、まずはドン・デイビス制作のものが語られるのはもちろんだが、フィリー録音を忘れちゃいけないよと、声を大にしておこう。
ただひとつだけ不思議なことがある。
ジョニー・カーターのハイテナーの出番が少ないのだ。コーラス・アレンジはロン・タイソンがやっているが、ファルセット・シンガーとして格が一枚も二枚も上のジョニー・カーターに嫉妬したのかな(笑)
« Temptations "In Japan" | Main | 今日はズル The Dells "They Said It Couldn't Be Done But We Did It... " »
The comments to this entry are closed.
Comments
これ買う気がしないジャケットですよねー、でも持ってるけど。
Posted by: Masato | September 08, 2009 02:47 AM
Masatoさん
裏とあわせてのおもしろさで僕は最初から気に入りました。
むしろ"Mighty Mighty"のほうが、ひいてしまいましたね~
Posted by: Sugar Pie Guy | September 08, 2009 12:46 PM