【USBDG 011】 Ernie K-Doe
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"Mother-In-Law"だけで米ポップス界に名をとどめるアニー・K・ドゥ。
だが一部のソウル・ファンの間では60年代中盤からのDuke、サンスゥ録でのシングルに熱い視線が注がれているシンガーでもある。
そのいずれが上か、というのは為にする論で、両方ともいいから聴かなくちゃ駄目ということ。
Mother-In-Law Ernie K-Doe (Minit 0002)-1961-
まずは名曲"Mother-In-Law"をしっかりと聴いていただきたい。
軽快なノベルティだが、その軽快さを際だたせているのはアニーの並々ならぬスムースなテナー。この人の歌の巧さを聴き逃してはならない。
彼は初期に放ったこの大ヒットに匹敵するセールスを二度とあげることはできなかったが、この歌を武器に70年代頭までしっかりとソウル・シーンに踏みとどまった。
ところでここから私事、雑談。
僕がこのMinitのLPの国内再発盤を買ったのは1981年。
アニー・K・ドゥという名前と「意地悪ママさん」という邦題はかろうじて知っていた。その知識の元は大瀧詠一のアルバムの自筆ライナー。
そのアニーのアルバムが出て、タイトルが「Mother-In-Law」、これなんだろうな~、でも違うかも、と思案しているちょうどそのときに、とあるイベントで大瀧さんのサイン会があった。大瀧さんの人気が沸騰しているときで、みんな「ア・ロング・バケーション」を持ってサインの列に並んでいるのだが、僕は裏手で「レッツ・オンド・アゲイン」を持って行った。
それを差し出すと大瀧さんは目を細めて「ほぉう、これはこれは」と言った。延々とロン・バケにサインしていたところに、まだうら若い少年(は言い過ぎか)が、妙なレコードを持ってきたので興味をひいたらしい。
すかさず「意地悪ママさんの原題ってなんですか?」とその場で尋ねた。
というわけで、そのイベントの直後にこのMinit盤(の日本再発盤)は僕の棚に収まったという次第。
思い出してみると大瀧詠一がサイン会をやった時代があったんだねぇ。今じゃ考えられない。
ここで話を軌道修正して、このMinit盤から一曲ご紹介しよう。後年のサザン・ソウルを思わせるバラードもあるのだが、やはりこの時代はこのスタイルが一番魅力的だ。
She's Waiting / Ernie K-Doe
彼のディスコグラフィをつけておく。漏れているものがあればご指摘いただきたい。
Savoy 1134 (1954)
Honey Baby
No Money
Speciality 563 (1955)
Eternity
Do Baby Do
Ember 1050 (1959)
My Love For You
Tuff-Enuff
Minit 604 (1960)
Make You Love Me
There's A Will There's A Way
Minit 614 (1960)
Hello My Lover
Tain't It The Truth
Minit 623 (1961)
Mother-In-Law
Wanted, $10,000.00 Reward
Minit 627
Real Man
Te-Ta-Te-Ta-Ta
Minit 634
A Certain Girl
I Cried My Last Tear
Minit 641
Come On Home
Popeye Joe
Minit 645
Love YOu The Best
Hey Hey Hey
Minit 651
Beating Like A Tom Tom
I Got To Find Somebody
Minit 656
Loving You
Get Out Of My House
Minit 661
Be Sweet
Easier Said Than Done
Minit 665 (1963)
Penny's Worth Of Happiness
I'm The Boss
Instant 3260 (1963-10)
Baby Since I Met You
Sufferin' So
Instant 3264 (1964-2)
Taking Out Of My Hand
Reaping What I Sow
Duke 378 (1964)
My Mother-In-Law (Is In My Hair Again)
Looking into The Future
Duke 400 (1966)
Please Don't Stop Me
Boomerang
Duke 404 (1966)
Little Marie
Somebody Told Me
Duke 411 (1967)
Later For Tommorow
Dancin' Man
Duke 420 (1967-10)
Until The Real Thing Comes Along
Little Marie
Duke 437 (1968-8)
How Sweet You Are
Gotta Pack My Bag
Duke 450 (1969-12)
I'm Sorry
Trying To Make You Love Me
Duke 456 (1970-5)
I'll Nake Everything Be Alright
Wishing In Vain
Janus 167 (1971)
Here Comes The Girls
A Long Way Back Home
Janus LP-3030 (1971)
"Ernie K-Doe"
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Comments
大瀧さんがサイン会
本当に今じゃ考えられませんね(笑)
そこに「Let's Ondo Again」を持って行ったSugar Pie Guyさんも、さすがです
そういえばMother-In-Lawを初めて聴いたとき「あ、楽しい夜更かしだ」と思った記憶があります
Posted by: bloodstone | September 28, 2009 09:09 PM
bloodstoneさん、ご無沙汰しています。
大瀧さんのイベントは、名古屋市北区にある大きなレコード店で開かれたもので
単なるサイン会ではなく、大瀧さんがレコードを回しながら語るという内容の濃いものでした。
「幸せにさよなら」のシングルがLPとは別物だというのも、ここで知り「しまった、買い逃した」と悔やんだことを覚えています。
Posted by: Sugar Pie Guy | October 02, 2009 08:58 AM