【USBDG 012】 Chris Kenner

　クリス・ケナー。正直言って印象が薄いシンガーだ。

※毎週末はUSBDG紹介です。USBDGについてはこちらをご参照ください

　この人を最初に知ったときから、今の今まで「（ウィルソン・ピケットがヒットさせた）ダンス天国のオリジネーター」という以外に印象がない。せっかくだからこの機会に聴きなおそう。

　彼がInstantに残した曲を集めたのがこのLP。

Land Of 1000 Dancers　Chris Kenner　(Atlantic 8117)

　全編、N.O.らしいノベルティ風味の、まったりファンキー。

　真夏の昼日中にカーステレオから流れてきたらご機嫌。いっぽうミラーボールが煌めく夜のソウル・バーにはあまり似合わない。

　part1と2がある"I Like It Like"がベスト・トラックかな（これは英Charlyが出したCDのタイトルにも使われている）。
　"Go Thru Life"のようなバラードも味がある。

　しかしやはりこの曲をアップしておこう。

Land Of 1000 Dancers / Chris Kenner

　破壊力は相当に違うが、曲そのものについてはウィルソン・ピケットのカバーは忠実であることがわかる。

　それにしてもAtlanticがもしこのクリス・ケナーの版権を持っていなかったら、ピケットにこの曲を歌わせることはなかったかもしれない。まさに歴史の偶然が偉大なる必然になる事例。