【USBDG 014】 Etta James
※毎週末はUSBDG紹介です。USBDGについてはこちらをご参照ください
今年は彼女の話題が旬だ。
ひとつは映画「キャデラック・レコード」が公開されたこと。美貌とシンガーとしての才能の両方を兼ね備えたビヨンセがエタ・ジェームスを演じるというのが話題性をあげており、それを見越してのキャスティングだろう。
さらに、今年の夏に出た「ブルース&ソウル・レコード」誌で、彼女のアルバム完全ガイドが掲載されている。
この両方にぴんとくるソウル・ファンが何人いるかわからないが、旬ということにしておく。
USBDGで取り上げられているのはChessのベスト盤。これに少々手を加えたものがP-Vineから出ていた。
Juicy Peaches Etta James (P-Vine PLP-6052/53)
これ同時期にP-Vineは単独LP"Tell Mama"もリイシューしており、かぶらないような選曲となっているのが、USBDG収録のChess盤との違い。
本名Jamesetta Hawkins。ジェームセッタという名前をひっくり返してEtta James。
出身地LAでModern/Kent、(Crown)録音がある。ジョニー・オーティスが絡んだもので、現在は2枚組CDでコンプリートされている。
そしてシカゴでこのアルバムで聴くことができるとおり最充実期を迎える。
エタ・ジェームスはそのど迫力のヴォーカルを看板としながら、芸域が広い。ジャズ小唄から、ブルースまで、なにを歌わせても形になる。
またこのChess(参加のArgo/Cadetを含む)時代は、シカゴだけではなく南部録音もあり、ソウル・ミュージックの最も美味しい部分をしっかりと味わえる。
改めてすごいシンガーだ。
youtubeからいくつかご紹介する。
I'd Rather Go Blind / Etta James & Dr.John
At Last / Etta James
後者の映像の最初のMCはウルフマン・ジャックだよね。
いくつかトリビアを書いておく。
エタ・ジェームスというと、頭は金髪で眉毛が黒いというイメージがあるが、これは当時、娼婦の間で流行ったファッションだそう。眉毛はそのままに頭だけ染めるとこうなる。
あと映画「キャデラック・レコード」を未見(僕の住む、岡崎市では上映しない。近隣の安城市で上映していたが、あっという間に終わってしまった)なのだが、そこでも彼女の父親と彼女自身が言っているミネソタ・ファッツとの邂逅が描かれているようだ。
ミネソタ・ファッツといえば、映画「ハスラー」でポール・ニューマン扮するファースト・エディと死闘を繰り広げるビリヤードの達人(ジャッキー・グリースンが演じた)。
しかし、ミネソタ・ファッツというのは半ば伝説のギャンブラーの名前で、俺がミネソタ・ファッツなんだと言い張るデブ(失礼)は何人かいる。
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