【USBDG 021】 The Impressions
USBDGの並べ方には各章毎のルールがあるが、現在ご紹介中の第一章「ソウルのパイオニアたち」は、まずサム・クックからの男性(1~12)、女性(13~20)ときて、このインプレッションズからグループとなる(21~29)。
※毎週末はUSBDG紹介です。USBDGについてはこちらをご参照ください
USBDGではドゥーワップ系のグループは取り上げていない。あくまでソウルにフォーカスしているというわけで、各々のチョイスに賛否はあろうが、インプスで始めるということは揺るがないだろう。
For Your Precious Love The Impressions With Jerry Butler (Vee Jay VJS-1075)
このアルバムがいつ出たのかを僕は知らない。LPのジャケットにも盤面にも年号の記載がない。ざっとネットで調べてもリリース年が見あたらなかった。
少なくともジェリー・バトラーが成功を収めてから出たものだという点は間違いない。
ジャケット裏に既に発売済みのジェリー・バトラーのLPが6枚もクレジットされている。(VJLP 1029、1034、1038、1046、1048、1057)、これに対しこのインプレッションズが1075。
ここで、ご存じGolden Age Of Soul Musicのジェリー・バトラーの項を見る。
1057"Folk Songs"が1963年とあるから、おそらくは63~64年のリリースだろう。
となればカーティス率いるインプスはABCで既に4枚のアルバムは発表している時期。屈指の名曲"People Get Ready"が街に流れている頃にまとめられたということになる。
というわけで後追いの編集盤であり、このアルバムの製作(楽曲の取捨や並び順)にカーティス以下のメンバーはまったく関与していない。
それもあって雑多な内容。ジェリー・バトラーが歌っているのは3曲しかない。
ただしその雑多さがおもしろい。カーティスが、あるいは彼らが、なにか新しい音楽を興そうとしていた気概を感じる。バード・グループからドゥーワップを経たコーラス・スタイルを素養としながら、それを膨らませようとするかのような。
特にそれを感じるのはジェリー・バトラーが参加していない曲。ジェリーという偉大なシンガーが柱にいると、やはりそれだけでサマになってしまうからだろう。
そのサマになった代表が、ソウル・クラシックとなった"For Your Precious Love"。もしこの曲がなかったら、後年名カバーを残すオスカー・トニーJr.やリンダ・ジョーンズのキャリアも色褪せてしまったのでは、と思ってしまうほどの名曲。
youtubeに現在のジェリー・バトラーのパフォーマンスがあるので引いておく。
老いてもなおも健在なりアイスマン。
ABC移籍以前のインプスにつてはBanderaでの録音が昔リイシューされた。この時期の彼らについてもっと知りたいと思っている。
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Comments
>ざっとネットで調べてもリリース年が見あたらなかった。
うちがチェックしてるのは
・rateyourmusic
・allmusic
・soulfulkindamusic
・soulwalking
rateyourmusicでは1963年になってます。
うちのWikiには入ってませんが参考文献の「SOUL ON 誌 No.219 1991-4」と「SOUL TO SOUL 誌 No.39 1981-sep」に記載が無かったためと思います。
Posted by: ad (adhista) | December 24, 2009 06:33 PM
ad'さん、毎度ありがとうございます。
1963年ということで胸のつかえが取れた気がします。
Posted by: Sugar Pie Guy | December 25, 2009 12:17 PM