【USBDG 024】 The Isley Brothers
アイズレーの長いキャリアのスタートだが、後年とは全く違う趣き、あるいはその片鱗がほんのちょっぴりと、いろいろ楽しめる好盤。
※毎週末はUSBDG紹介です。USBDGについてはこちらをご参照ください
Shout! The Isley Brothers (RCA-Victor LSP-2156)-1959-
全体の印象を一言すれば「ロックンロール」。
さらに言えば「前半エルビス・プレスリー」。
特にA面はエルビスを真似たとしか思えない歌いかたとアレンジ。これはレーベルがRCAであることと関係しているのだろうか。
それがB面最終部で、彼らのオリジナリティが出てきて偉大なクラシックに打ちのめされる。まこと聴いていておもしろいLP。
01 When The Saints Go Marching In
02 St.Louis Blues
03 Yes Indeed
04 How Deep Is The Ocean
05 Ring-A-Ling-A-Ling
06 Rock Around The Clock
07 He's Got The Whole World In His Hands
08 That Lucky Old Sun
09 Respectable
10 Without A Song
11 Shout (Part 1)
12 Shout (Part II)
今回、自分でアナログからデジタル化してわかったんだけれど全12曲の合計が30分に満たない。あっという間に終わる。いい時代だなぁ。70分超えのCDにはついていけない(苦笑)
1、「聖者が街へやってくる」。これが完全にエルビス。バックのコーラスはショーダネアーズ風。ギターはカントリーっぽいエレキというより、ずばりスコッティ・ムーアの音。
2の「セントルイス・ブルース」もエルビスの歌いかた。
3でやっと黒人らしい歌とコーラスが出てくる。かっこいいR&B(歌詞はゴスペル)。
4は「シャウト」のロックンロール時代といった感じ。サウンドが白人ポップスでそのミスマッチがおもしろい。
5はタイトルから察せられる通りのロックンロール。
6はもちろん白人カントリー歌手ビル・ヘイリーとコメッツの有名曲。黒人からの素晴らしい返礼コピーとなっているが、オリジナルの白臭さが良いとも言える。
7、ゴスペルのコール&レスポンスを加味したロックンロール。
8はロッカバラード風にスタートし転調してジャンプするR&Bでなかなか楽しめる。
9でようやく「シャウト」のアイズレーの前兆。コーラス部分の柔らかいハーモニーはソウルの時代を感じさせる。
10は朗々とした歌が響くリズミカルなR&B。A面の曲ではエルビスっぽいと表現したが、それは一歩進むとジャッキー・ウィルソンなわけで、この曲くらいになるとジャッキー・スタイルと言ったほうがいいか。
11、12。ソウル・クラシックを超え、アメリカンポップス史に燦然と輝く傑作。単純なフレーズの繰り返しはファンクに通じるし、しつこいまでのリードの歌いぶりは完全にソウル。
いやぁかっこいい。
ところでRCA-Victorらしく、このアルバムの裏ジャケットではVIctorのオーディオの宣伝が載っている。おもしろいのでそれを貼り付けておく(画像をクリックすると拡大します)。
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