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Wilie Clayton "God Has A Plan"

Willieclayton15 ウィリーのファンであれば絶対に聴いておきたい一枚。条件付きだが。

 条件というのは「ゴスペルが許せるのなら」。

 ソウル・ファンの中にはゴスペルはどうもという人がいる。愛と欲をストレートに出したエログロ感がソウルで、至高の愛を説くゴスペルには萌えないのだろう。僕もそうだ。

 だが「いっちゃってる」度では変わらない。エロにいっているか、ゴッドにいっているか。そこを楽しむのなら僕でもいけます。

 というわけで現在のところウィリー唯一のゴスペル・アルバムがこれ。

God Has A Plan Wilie Clayton (AVANTI 4005)-1998-

 各曲紹介の前に書いておく。このアルバムはシンガーとしてのウィリーの傑作。

 まずブルース臭さがない。90年代サザンソウル臭さがない。
 この両者がウィリーに全く合わないとは言わないが、「かなり合いにくい」と思っている。スムーズな声質と確かな音域、正確なリズム感を持つウィリーはモダンなコンテンポラリーソウルでこそ映える。

 さらに過度なクワイヤがついていない。
 参加するゴスペルとしてはクワイヤは楽しいんだろうけれど、やっぱり聴く音楽としては単調になる。
 ウィリーのソロを適度に彩る程度のクワイヤなのがいい。

01 God Has A Plan
02 Put God First ( In Your Life )
03 Jesus Is Love
04 Holy Ghost Party
05 You Did
06 Satisfied
07 Free My Soul
08 That's Heaven To Me
09 Jesus I Love You
10 Stairway To Heaven
11 Been Good To Me

 1は同時期のアルバム"Something To Talk About"にも収録されていた。ウィリーのダブりには厳しい僕だが、これはダブりとは思わない。世俗のアルバムでゴスペル・シンガーとしての自分をアピールしておくのは戦略としてありだ。
 曲については、むしろ70年代サザン・ソウル的な風合いもあり、これならウィリーの歌もばっちり。

 2、クワイヤが全編バックをつけるが、ウィリーの歌のスケールとの距離感がいい。中盤からの歌いかたは、ディープ・ソウルシンガーと言ってもいいもの。ウィリーがブルースを歌うとわざとらしくがなるのだが、ここでのシャウトは自然だ。

 3、この曲からの三連打がこのアルバムのハイライト。ラブ・バラードとして聴く(英語わからないし-笑-)。ウィリーの歌いこみは素晴らしい。

 4、ファンク。それもPファンクっぽい。こういう冒険が、この時期のウィリーの世俗アルバムにはない。厚いサウンドに吠えるウィリー。クワイヤのハンドクラッピングもかっこいい。これぞソウル(魂)!

 5、これまたすごいバラード。"So Tied Up"、"Tel Me"の頃のウィリーに戻ったかのようで嬉しくなってくる。

 6、前の三連がすごかったので、ちょいと息抜きのミディアム。しかし随所で聴かせる歌は大したもの。

 7、曲名でイケる。明るいミディアムだが、歌のテクニックをこれでもかと聴かせる。こういうふうに歌えるシンガーが、リアルタイムで何人いるだろう。素晴らしい。

 8、サム・クックのカバーを丁寧に歌う。意地悪く言えば、これまでの興奮が冷めるのは確か。ウィリーのうまさに舌を巻いていたが、サム・クックの歌を思い浮かべるとね。しかし、ここでは誠実さを味わうことにしよう。

 9は典型的なゴスペル。途中からのウィリーの暴れぶりがすごい。先のサム・クックでよそ行きになっていたのを払拭。

 10、ギャンブル&ハフ作のオージェイズ名曲のカバー。オリジナルのバックの奥行きは望めないが、これまた後半のウィリーの歌いこみには惹かれる。ちょっとだけエディ・リバートみたいなシンギングをするところがお茶目。

 11、ああこの曲だけはなかったほうがよかった(すいません)。ブルース風ゴスペル。盛り上がらず終わるのがアルバム最後だけに悔やまれる。

 以上の11曲。

 なにしろコンテンポラリー・ゴスペルには全く疎いので、これと並ぶあるいは超える録音というのもあるのかもしれないが、ソウル・サイドから見た場合、最高のゴスペル・アルバムだと思う。

 またウィリーのファンとしては、その歌のうまさが堪能できるという点で、これ以上のアルバムはない。

 掟破りだが2曲貼り付けておく(心に触れたらこのアルバム買ってください)。Pファンクゴスペルと、ラブバラードゴスペル(笑)

Holy Ghost Party / Willie Clayton

You Did / Willie Clayton

 ああこのレベルで世俗録音を残してくれたらとないものねだりをしてしまう。それこそがウィリー・クレイトンの最高傑作。
 この連載の結末をばらしてしまうが、ウィリーの最高傑作アルバムはまだこの世に存在していない。近作"Love, Romance & Respect"などその露払いにすぎない。

 

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Comments

御無沙汰してます。。。
僕も「So Tied Up」でこの人に痺れた一人ですが、知らぬ間にやたらとCDが出ていてねぇ・・・
そんな訳で、Willie ClaytonのDisc評シリーズ、大いに参考にさせてもらいます。。。
貼り付けた2曲、良いですね! 僕の好みはPファンクの方。これは買います。。。


Posted by: heka | January 22, 2010 at 06:16 PM

Willie Claytonがゴスペル・アルバムをリリースしていたとは!全く想像していなかったので、驚きです。個人的には、色々なタイプの彼の音楽を聴けるのは嬉しい限りです。歌い方・声質からしても、ゴスペルでも十分イケますね。

Posted by: Beau | January 23, 2010 at 09:56 AM

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