Wilie Clayton "It's About Love"
今日取り上げるのはまた変わってSumthing Elseなるレーベルだが、Avantiからの3枚目も同じ99年に出ている。ただそちらは、どうも後出しのようで、こちらを先にする(Golden Age Of Soul Musicもこの順になっている)。
It's About Love Wilie Clayton (Sumthing Else 1005)-1999-
ポール・リッチモンドが制作に関わっていない。世評に与するが、どうも彼の音作りは守備範囲が狭く冒険がない。しかもその守備範囲が中途半端。
このアルバムではテリー・キンブルとウィリー自身がプロデュース(作曲も大半はこのコンビ)。録音はミシシッピ州ジャクソンだが、その後シカゴのスタジオで手入れをしているところも期待大。
ただ、リッチモンドの影がどこかにちらちら見える。例えば9のタイロン・デイビスとの関係など---(詳しくは2000年のアルバム紹介で)
01 Everytime You Go Away
02 Caught Up
03 This Broken Heart
04 I Gotta Good Woman
05 You May Need This Road
06 Stop Running From Love
07 Cheatin' On Me
08 Let's Stay Together
09 Talk To Me
10 I Got You Beat Out
11 That Woman Ain't Havin' It
12 You Don't Know It
13 Jesus Will Make A Way
1はダリル・ホール&ジョン・オーツの81年のヒットのカバー。歌はさすがながらサウンドで追いつけない。この当時のインディーにおけるカバーの問題点が出てしまった。
2、重いスロー。歌は毎度ながらすごいが曲の魅力がいまいち。
3、ミディアム・スロー。感想は上に同じ。
4、これまた上に同じ。
5、またまた上に同じ。
6がこのアルバムのベスト・トラック。悠然としたリズムが心地よい。語りから入るところも新鮮。そして歌となれば、こちらのもの(笑)
7はヘビィなブルース。悪くはないが、好きかと言われると---
8はタイトルですわカバーかと思うがウィリーの自作曲。毎度のミディアム・スローながら、これはメロディも良く気に入った。
9、このアルバムではタイロン調が減っているが、これはそれに近い。実はこれ、タイロン自身が先に歌っている曲。アルバム"I'll Always Love You"に収録されており、曲名が"Talk To You"と少し違う。
10、語りから入るスロー。歌がメインで聴き応えあり。ただしチープなくせに大袈裟なサウンドが気になる。これはこの当時のインディーシーンがすべて抱えていた問題。
11は楽しいミディアム・ダンサー。僕は気に入りました。
12、丁寧に歌われたバラード。相変わらず歌のうまさはすごい。いかんせん曲がありきたりなのがもったいない。
最後の13はゴスペル。前回のゴスペル・アルバム評と同じで、世俗のものを超えて素晴らしい。なによりサウンドが無理をせずシンプル(ここではピアノ主体)なのがいい。
以上。
決定的に駄目な曲もないが、傑作も少ない。6と8が良いが、結局ゴスペルの13が一番ぐっとくるというところに問題を感じるなぁ。
ただ、調子は上向いている。
小さな巨人が目を覚ます21世紀まであと僅か。
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Comments
>Golden Age Of Soul Musicもこの順になっている
恐ろしい事書いてますね〜。
Golden Age Of Soul MusicはWikiである事をよいことに
「間違ってる事は当然」
がポリシーです。
経験上お分かりかと思いますがアメリカ人はいい加減が当たり前。
ディスコグラフィのネタ元の中でも
rateyourmusicは同じ年ですと新しいのが上になってるようで信用出来ません。
その点はsoulfulkindamusicの方が良いですね。
(soulfulkindamusicにはディスコグラフィが上がってない)
後レコード番号で順番にするのも難が有るので難しいところです。
私はWilie ClaytonをコンプリートしているSugar Pie Guyさんの順番に合わせるつもりですからよろしく。
Posted by: ad | January 22, 2010 06:02 PM