Wilie Clayton "The Little Giant Of Soul"
プロデュースはT.Kimble & P.Richimondと記載されているが、曲を聴いていくと、キンブルが主導したように思う。
The Little Giant Of Soul Wilie Clayton (Claytown CR-2015)-2001-
大村昆が出ていたTV-CMに「オロナミンCは小さな巨人です」というのがあったが(古い)、まさに「ウィリーCは小さな巨人です」というタイトル。
ジャケットがひどく、いかにもインディ・シンガーの安っぽい虚勢のよう。しかしアルバムを聴き進むと、ウィリーが巨人であることに疑いはなくなる。
01 Wiggle
02 Love For Sure
03 I'm Coming Home
04 Shake It
05 The Blues
06 Stuck On You
07 Baby I'm Ready
08 Is This Love
09 Love Is So Good When You're Stealing It
10 Cheatin' Game
11 Tongue Bath
1、ちょっとヘビィな曲調でスタート。まずまずかっこいいが、メロディの魅力に乏しいかな。
2、正統なラブ・バラード。ウィリーの歌に聴き惚れる。バックのサウンドはインディらしくチープだが、なんとか工夫をこらしている。
3のミディアム・バラードもなかなかの出来。語り、女性コーラスと聴きどころあり。
4、重めのミディアム。悪くはないが印象に残りにくい。
5は"Chapter One"収録曲の再出。タイトルとは裏腹にブルース感は少なく、ウィリーお手の物のミディアム・リズム。
6、美しいバラード。ウィリー渾身の歌で最後まで緊張が続く。改めてなんて歌のうまい男なんだと舌を巻く。作曲はキンブルとX.パーカー。X.パーカーは自身でもアルバムを出しているシンガー。
7、美しいミディアム・バラード、このアルバムのベストトラックかな。ウィリーの歌いこみはすごい。女性コーラスを従えて、まさにソウルの巨人としてふるまう。マーヴィン・ゲイの名を歌いこみ、語りも入って、ご馳走様。
8のミディアムもなかなかの出来。
9はジミー・ルイスが書きZZヒルが78年に歌った名曲のカバー。素晴らしい曲、そしてウィリーのすごい歌。ああ、これでバックがしっかりしていればサザン・ソウルの名唱となったのに。歌にからんでこないバックが恨めしい。
10はファンクっぽいミディアム。ウィリーはリズム感も抜群で、かっこよく歌いこなすが、曲の魅力がいまひとつ。ファンクとしては曲よりもサウンドの問題が大きいか。
11はブルージーなミディアム。トークボックスを使っているが、使いかたがつまらない。もっとねちっこくからんでこないと。トークボックス大好き(実は持っている)僕が言うのだから間違いない(笑)
以上、11曲。
アルバムの構成にひねりがたりず全体として印象が弱くなるのが残念。毎度ながらサウンドの中途半端さも歯がゆい。
だが一曲たりともウィリーの歌に迷いはない。
Baby I'm Ready / Willie Clayton
歌はすごみをましている。もともと歌のうまい男だがその歌の底に人生の成熟が加わっているのだ。
ウィリーの全アルバム紹介も後半にさしかかった。ここからの飛翔を心して聴き進もう。
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Comments
このジャケ写、初めて見ました!
「Baby I'm Ready」はキレイなコンテンポラリー・ソウルですね。
Posted by: Beau | January 25, 2010 11:47 PM