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Willie Clayton "Something To Talk About"

Willieclayton14 またもレーベルが変わった。

 今度はAvanti。ミシシッピの会社で、ここからウィリーは3枚のアルバムを出す。

 制作は今回もポール・リッチモンド。また悪い予感がするが、どうしてどうしてなかなかの出来。前作では曲作りもP.リッチモンドが殆ど加わっていたが、今作はあまり手を出していない。それが良かったのか---ポールさんもえらい言われようで申し訳ない。
 あと前作からだが旧作を使うということがなくなった。

Something To Talk About Willie Clayton (Avanti 1007)-1998

01 Mine All Mine
02 Heart Of The City
03 Let Me Be (Your Spare Time)
04 Love Is Something Beautiful
05 Are You Married
06 One Last Kiss
07 Hot Stuff
08 Ain't Nothing I Can Do
09 Something To Talk About
10 Help You Pay Him Back
11 God Has A Plan
12 I Love You (But I Can't Feel A Thing)
13 I'm Going To Your Wife
14 Unconditional Love

 1はタイロン調でスタート。ウィリーのパターンで、無理にパターン破りでつまらないよりいい。

 2、ブルーズっぽいが、そんなに悪くない。

 3、美しいミディアム・バラード。ウィリーの最も得意とするところ。そもそも、それを知ってか知らずか、こういう曲が少ないのがこの時期のアルバムの問題点。

 4も曲はいまひとつだがウィリー節は堪能できる。

 5、サザン・ソウル臭さのない都会的なアレンジのイントロで期待させるが、ちょい曲が地味かな。でも聴いていて安心できる。

 6、ブラコン風のバラード。悪かろうはずなし。しみじみとウィリーの歌世界に浸れる。いいぞ~。

 7、しっかりと歌うスローファンキーなミディアム。歌、リズム感ともさすが。ただちょっとブルーズンなところが気になるかな。

 8、しっとりスロー。盛り上がりに欠ける。

 9、アルバム・タイトル曲のミディアム。ところがこれが大しておもしろくない。なぜこれをアルバムに冠するのかと思う。誰しも期待して聴く曲だけに不利だと思う。

 10、ブルース。テンポが速くウィリーの歌は映えるが---

 11、ゴスペル。これは次回紹介するウィリー唯一のゴスペル・アルバムの収録曲でもあり、そこで詳述するが、ブルースよりは遙かにウィリーに合っている。

 12、美しいバラード。曲は地味でありきたりだが、そこに表情をつけるウィリーの歌は素晴らしいものだ。

 13はパット・ブラウン嬢とデュエットするタイロン調のミディアム・スロー。なかなかいい。

 14、この当時のR&Bに挑むような重いミディアム・スロー。トークボックスも交え新鮮に響く。

 以上。
 ぱっと目立つ曲がないが、前作で感じたダルさは減っている。

 だがこの時期のウィリーは当時リアルタイムで聴いても「後退」していた。最後の14のような挑戦をもっとしなくてはいけない。

 ウィリー・クレイトンは過去のシンガーではなく、現代R&Bを切り開くコンテンポラリー・シンガーなのだから。

【追記】
 ウィリー・クレイトンの公式サイトに、彼のディスコグラフィのページがあるのだが、かなりいい加減。
 そもそもAmazonで買ってもらおうというアフェリエイトなので資料としてのものではないが、このアルバムのリリースが2006年となっている。
 このくらいは正確にしてほしい。2006年の状態を期待すると痛いめを見るし、CDのブックレットに1998としっかり記載があるから買ったユーザーが怒るかもよ。
http://www.willieclayton.com/index.php?page=discography

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Comments

最近、初めてOmar Cunninghamのアルバムを聴いたのですが、『Worth the Wait』の9曲目「Shysters and Wannabes」では、Willieさんと共演していました。かなりコンテンポラリーな作りでした。また、3曲目「Made My Move」はWillieさんの作曲でした。書き下ろしではなく、カバーかもしれませんね?
※既にご存知でしたら、スミマセン!

Posted by: Beau | January 20, 2010 12:18 AM

> Beauさん

ウィリーは現在は南部のインディソウル・シーンのゴッドファーザーとして君臨しているようです。

Vick Allenとは特に関係が強く、彼の"Simply Soul"(2005)でデュエット参加しています。

ご指摘のOmar Cunninghamのアルバムは当時のウィリーと同じEnd Zoneからですのでウィリーの参加も頷けます。
ウィリーのほかにSonji Mickey、Jess Wrightらも参加した楽しい内容でしたね。

デュエット参加ではなくソロとしてはAvantiから出ている"Beauty & The Beast"(1999)で2曲歌っているなど、周囲を探すと録音がこぼれいているのでファンとしては気が抜けません。

Posted by: Sugar Pie Guy | January 22, 2010 09:32 AM

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