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Willie Clayton "No Getting Over Me"

Willieclayton11 なぜかIchibanに戻った格好でリリース。

 前作で、真面目に新録に挑んだかと思えば、今作はまた既出曲の使い回しが出てくる。

No Getting Over Me Willie Clayton (Ichiban ICH 1182-2)-1995-

 ただ版権にカースティとのクレジットもあり、権利を持つカースティがいろいろなレーベルに乱発しているだけでウィリーに罪はないのかもしれない。

 また悩ましいことに、CDの音圧はどんどん良くなっている。原則としてダブり曲があった場合、あとのCDのほうが音がよく響く。iTunesからiPodに取り込んで聴こうという方は参考にしてください。

01 No Getting Over Me
02 Never Knew Love
03 We Did It
04 Meet Me Tonight
05 Soap Opera Love Affair
06 Tell Me
07 Somebody
08 Love 4 Tonite
09 Midnite Dr.
10 That's The Way I Feel About You
11 Weak 4 U
12 Missing You

 1、出だしはタイロン調だが進むにつれ哀愁を帯びたミディアム・バラードという風情に。バックの女性コーラスも含めサザンソウル・スタイル。

 2は完全なタイロン調。こんな曲だったら何千曲でも作れそうだが、それぞれにウィリーの歌はいいわけで、マニアぶらず楽しむのが吉。

 3も上記と同じ感想のタイロン調ミディアム・ダンサー。

 4は正統サザンソウル・バラード。10年後の2006年のアルバム"Full Circle"で再び録音し直す曲で、それだけウィリーは愛着があるのだろうか。誰かのカバー?(作曲はリー・フィールズ)

 5、広義にはタイロン調と言えないこともないが、これこそがウィリーの自家薬籠中のオリジナリティ・シンギング。軽く歌い出しながらサビの部分でぐっと歌に力を入れる。サザンソウルシンガーとしてのウィリーの傑作の一つ、素晴らしい。

 6、むむむ。前作となる"Simply Beautiful"のハイライトだったジェネラル・クルック作"Tell Me"のカバーリメイクの再収録。ところが、なぜか歌に入る前のイントロヴァースの部分が割愛されている。削られたのは時間にして30秒あまり。なぜそんなことをするのか理解不能。前述の通り聞き比べるとこちらのほうが音圧が高いだけに余計悔しい。

 7、これはサム・クック調。悪くはないが強い印象に欠ける。

 8、丁寧に歌いこまれたサザン・バラード。5と並ぶ素晴らしい出来で、こういう力のこもった歌は大歓迎。ただし、これ以上力を入れると端正な彼の歌が破綻するぎりぎりのところだとは思う。

 9はブルース。ウィリーにブルースは似合わないと思っているが、これは歌を聞かせるタイプで、それなりに悪くない。

 10、なぜかえらく古い録音(10年前)の再収録。もちろんボビー・ウーマックの有名曲カバー。いまさら聞きなおしてもと思いつつ、正直この頃の歌いかたのほうがウィリーには合っている。べったりなタイロン調は単なるルーチンだし、サザンソウルスタイルも素晴らしい出来ではあるが、しかしウィリーの本道はこれだと思う。

 11、ブルース系ダンサー。相変わらず歌はいい。ここまで歌うのならブルースである必要ないんじゃない?

 12、またやってるよ~。既出曲(アルバム"Feels Like Love"に収録)の使い回し、しかもタイトルを微妙に変えるという姑息技(もともとは"Missing U"という曲名だった)。ウィリー本来の良い曲であるだけに、こういう使われかたは残念。

 以上、どうも使い回しが嫌らしく好きになれないアルバムだが、旧作を持っていない(あるいは些細なことを気にしない)のであれば、異様に歌のうまいシンガーによる90年代のサザンソウルの一つの解釈として楽しめる。


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