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Willie Clayton "Changing Tha Game"

Willieclayton22 お待たせしました。いよいよウィリー第二のピークの幕開け。

 いやウィリー自身がこれまで不調だったわけではない。どのアルバムにもきらりと光る何曲かが入っていた。それを知らしめたくて、ここまで彼のアルバム全紹介という青の洞門を穿っていた。
 これまでの彼のアルバムを買って、使い回しに眉をひそめ、あるいはそのチープなサウンドに辟易としていた皆さん、いよいよウィリーはその全力をレコーディングにぶつけてきた。ぜひ「恩讐の彼方に」の気持ちで、このアルバムを手にしてほしい。

Changing Tha Game Willie Clayton (Endzone EZR 2062-2)-2004-

 ジャケットからして違う。これだってインディのチープなものなのだが、センスが感じられる。

 このアルバムの最大の特徴はバックのサウンドが格段に良くなったこと。
 プロデューサーは相変わらずP.Richmondだが、その上にJ.weinburg、Karry L. Yound、Ramont Bellの3人がクレジットされている。これが音の厚みの変化をもたらせたのか。

01 Fact No Rumor
02 Love Mechanic
03 Whipped
04 Come On Over
05 I Want You
06 I Wanna Get It On
07 Take 'Um Off
08 Love Zone
09 So In Love
10 Keep Steppin'
11 Woman's World
12 What Cha' Do To Me
13 Monkey See Monkey Do
14 Unconditionally
15 A Tha For You
16 My Mama Song
17 Monkey See Monkey Do (The Remix Feat. The Ying Yang Twins)

 1、これまでのウィリーとは全く違ったヒップホップ調の曲(そんなに尖っていることはないが)。ラップに誘われてウィリーがファルセットで楽しそうに歌い出す。曲としての魅力はまあまあだが、とにかく新しい風を感じることができる。

 2、オープニングで驚かせたが、これはウィリーお得意のミディアム。素晴らしく心地よいグルーブ。

 3、美しいミディアム・バラード。これまたウィリーお得意のパターン。

 4の短いインタールードを経て5へ。こういう手法(曲のつながり)はこれまでに聞くことができなかったもので、「アルバムを作る」という意志をようやく感じる。

 5、なんとマービン・ゲイのカバー。ウィリーとマービン、声質は似ていないわけではないがシンガーとしてのタイプが全く違う。歌のうまさではウィリーだが、マービンには「人間の弱さ」がこぼれ落ちるようなフィーリングがある。真っ正面からカバーするのでは勝てるわけがない。
 ただこの異物の挿入によって、このアルバムをマンネリから救っている部分はある。また中盤からのウィリーのしっかりした歌いこみにはやはり感心する。

 6、メジャーの音とも遜色ないバックの重いスロー。曲中に"Let's Get It On"というリフレインが繰り返され、その後マービン・ゲイの名も織り込まれる。4~6をセットとする試みは買ってやらねばならない。

 7、ウィリーの歌だけを聞かせる。単体の曲としては成り立っていないのかもしれないが、アルバムにこういう曲を入れようという発想はくりかえすが今までになかったものだ。ソウル・ファンにとっては絶対の歌。必聴だ。

 8、これも良いミディアム・スロー。イントロのところの囁きは、これまたマービンの"Sexual Healing"か(笑)。曲調やアレンジになんとなく80年代のSolarを思い出してしまった。

 9、大人しく地味な曲だが不思議な魅力がある。恥ずかしい日本語で表現すれば「癒される」。

 10、このアルバムのハイライト。曲名通りのステッパー。私事ながら、これをはじめて聴いたときは興奮した。「こんどのウィリーはすごい」と会うソウル・ファンみんなに吹聴したが、皆さん半信半疑だったなぁ。

 11、ブルージーなサザンソウル・バラード。こういう曲ではやはりバックの音にものたりなさが残るが、21世紀のインディ・サザンソウルとしてはこれ以上の音は望めないだろう。

 12と13はそれぞれ優れてコンテンポラリーな曲。共に曲の魅力はまずまずだが、こういうのが入っていてアルバムとしてのバラエティが出る。

 14、ウィリーの歌を堪能する曲だがメロディが平板すぎるかな。

 15、地味な曲だが噛みしめるとうまみが出てくる。ウィリーの歌も端正。

 16、ダミ声のラップが入る冒険的な曲。はっきり言って狙いをはずしていると思うが、総体としてアルバムのスパイスになっており、こういうトライは好ましく感じる。

 以上。ようやくウィリーはレコーディング・アーティストとして本気を出してきた。アルバム作品としての試行錯誤も感じられる。

 短いながらもソウル・シンガーとしての面目躍如といった曲をご紹介する。

Take 'Um Off / Willie Clayton

 ウィリー・クレイトン、素晴らしいシンガーだ。

 

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Comments

「Take 'Um Off」、かなりいい感じです。
今後は、2004年以降のウィリーに注目していこうと思いました。

Posted by: Beau | January 29, 2010 at 09:45 PM

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