Billy Ocean "Nights"
ビリー・オーシャンの日本盤LP。
Nights Billy Ocean (Epic Sony 253P301)-1981-
リアルタイムで持っていた。その頃僕は大学生。
アルバイトで家庭教師をやっていて、その教え子に「先生、なにかいいレコード貸してよ」とせがまれ貸したきり。
ところがその後お目にかからない。
オリジナル輸入盤ならたやすい。CDはいつでも買うことができる。しかし日本盤と出あわない。
なぜ日本盤にこだわるかと言うと、山下達郎がライナーを書いている(正しくはインタビューの聞きとり)。なにやらマニアックな制作陣の名がずらりとあがり当時の僕にはちんぷんかんぷんだったもの。
一度、中古レコード屋で発見し、やったと思ったら日本語ライナーが抜かれていた。それだけが欲しかったとは勘ぐりすぎで、おそらく以前の所有者も達郎氏のライナーを繰り返し読むうちに散逸してしまったのだろう。
ネットオークションでアラート登録し、待つこと5年。ようやく出てきた。
価格が高騰するかとびびった。なにせ「質問」で「日本語ライナーは付属しますか」と尋ねて「あります」という回答まで引き出したから、全国の達郎ファンが狙ってくる---杞憂でした。
スタート価格の300円で落札。送料300円、ゆうちょ銀行振込で手数料もなしの合計600円。
別に珍しくもなんともないのだ。「Golden Age Of Soul Music」を主宰するadhistaさんも持っているし(絶対に高くは買っていないはず)、実は一ヵ月ほど前にお客さんに貸してもらいライナーは読んでいた。
単に巡り合わせが悪かっただけ。この駄文を読んだ翌日に皆さん発見できるかも(あるいはずっとあの箱に放り込まれているよ---かも)。
内容はいまさらだが、英国発信の80年代ブラコン、AOR風味もあり極めて水準の高い一枚。600円の価値は充分にある。
ビリーの澄んだテナーの伸びもいい。捨て曲なしだが、LP一枚をさらりと聴いて味が出るタイプ。
ノーランズ(白人のおねえちゃんグループ)でヒットした「ときめきTwenty」も収録。
大学生当時、僕はこのノーランズと30cmくらいの至近距離にいたことがある。いえファンじゃなくてコンサート会場の警備のアルバイトで。
コンサート終了後、群がるファン(アイドルおたく---その頃そんな言葉はなかったが)から彼女たちを遮るためにアルバイトでスクラムを組んだ。なんと僕は買ったばかりのシャツを破かれてしまった。そのくらい人気があったのだ。
またまた話がそれた。
ビリー・オーシャンは素晴らしいシンガーだと思う。しかしその後「カリビアン・クイーン」の大ヒットで行き先を見失ってしまった感がある。「ゴーストバスターズ」症候群(レイ・パーカーJr)で、なまじっか変なヒットを出さないほうがよかったのではないかと言うことだが、本人にとっては余計なお世話か。その印税は今でも馬鹿にならないだろうし。
山下達郎氏のライナー。今読むと半分くらいはわかる。
「ケン・ゴールドのプロデュースしたリアルシングとかデレゲーションなんて大好きですよ」に頷き、「イギリスにもニューウェイブばっかりじゃなくて(中略)ちゃんとしたヴォーカル・ミュージックがあるんだっていうこと」にぽんと膝を打つ。
しかし未だに半分はわからない。さすがです、先生。
長くなったので収束に向かう。
今回入手したもの、そして一ヵ月前にお客さんに見せてもらったものとも帯がない。
帯になんと書かれていたのか気になる。
なぜなら81年に僕がビリー・オーシャンを買った動機がほかに見いだせないから。おそらく「ライナー:山下達郎」と書かれていたのではないか。
同様なものにデルズのChi-SoundからのLPがあった。デルズ初体験も達郎氏からだったんだよね。
最後にビリー・オーシャンについてつけたし。
この「Night」以前の英国録音の2枚のアルバムが2on1になったCDを持っている。わりと最近出たもので日本盤は解説を鈴木啓志さんが書いている。機会があればそれを取り上げてみたい。
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