Freddie Hughes "Send My Baby Back---"
フレディ・ヒューズは、カリフォルニア州オークランドを本拠地とするシンガー。
このCDは彼が一枚だけ出しているLPに加え、彼がソロとなる以前からの活動も網羅してくれている。
Send My Baby Back--- Freddie Hughes (KENT CDKEND337)
甲高いテナーをふりしぼり、ここぞというときに叫ぶ。彼の代表曲であるタイトル曲ではやくもノックアウト。
ひとしきり60年代末期の彼のソロを堪能(not onも2曲あり)。
その後にはソロ以前の「ソウル・ブラザーズ」名義のもの、さらにカサノヴァIIと名乗っていたときの音源を収録。特にMusic Cityで録音していたソウル・ブラザーズは未発表も5曲。
ソウル・ブラザーズ時代では、もろにインプレッションズをパクった"Let Our Love Go On"なんて曲もあり、ソウル・ブラザーズという大仰なネーミングもあわせ微笑ましいが、ブックレットによるとジェームス・ブラウンのショーに参加していたとのこと。
この時期にはもうひとつレーベル名を冠したThe Music City All Starsとしても録音があり、それもちゃんとこのCDに収録されている。"Do The Philly"という曲で、ここでいうフィリーとは当時(1966年)はやったダンス・スタイルのことだろう。マンハッタンズのカーニバル時代にもフィリー・ドッグという曲があったっけ。
だがしかし、なんといってもこの人の魅力が爆発するのはWand時代から。
血管が切れそうな歌いぶりはウェスト・コーストには珍しいように感じる。デトロイト系のシンガーのようだ。
フレディは今も元気で、ブックレットには現在の彼の写真が掲載されている。1943年の生まれだそうだから、現在68歳。
彼はこのCDに収録された以外に、様々なグループ名義で歌ってきた。初録音は50年代というから、おそらくドゥーワップのキッズ・グループがレコーディング・キャリアのスタートだろう(未聴なので想像)。
その悪戦苦闘と実力に比して、彼がつかんだのはあまりも商業的な成功は小さなものだった。
しかし、今こうしてCDにまとめられ全世界で再評価されることを喜んでいるだろうな。僕も嬉しいよ。
なお彼にはWand以前にはVee-Jayなどに録音がある。また以降ではブランズウィック、そしてHATTIESで"Send My Baby Back"の傑作セルフカバーも残している。
↑後記、前半は誤りです。Vee-Jay、ブランズウィック---すなわちシカゴのシンガーFred Hughesと混同してました。ご指摘いただいたfriscoさんに感謝申し上げます。HATTIESはあっています(笑)
ぜひそれらも、リイシューしてほしい。
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Comments
>なお彼にはWand以前にはVee-Jayなどに録音がある。また以降ではブランズウィック
これって、Fred Hughes のこと? USBDG のこのアルバムの解説でシカゴ・ベースの Fred とよく混同されるとの指摘があります。
で、そのBrunswick のアルバム "Baby Boy" は以前Westside からJohnny Sayles のアルバムと2on 1
でCD化されています。持ってない?
Posted by: frisco | June 05, 2011 12:58 PM
> friscoさん
ご指摘通りの間違いです。
ホントだ、USBDGに混同されやすいって書いてある。
ウィリー・ハッチとウィル・ハッチャーとか、マーヴィン・シムズとマーヴィン・スミスとか、よく間違えるパターンにはまってしまいました。
本文訂正いたしました。
Posted by: Sugar Pie Guy | June 06, 2011 06:41 AM
このFred Hughes のCD のライナーを読むと、紛らわしいことに彼も活動ベースは元々は西海岸のようで、VJ録音というのは仕切った人がRichard Parker といって、VJの"West Coast A&R director" なんだそうです。ただ、Freddie はBay area ですが、Fred はLA らしい。
蛇足ですが、Fred のBrunswick のLP では "San Francisco Is A Lonely Town" なるJoe Simon のカバーをやったりして混乱させてくれます。
Posted by: frisco | June 06, 2011 03:35 PM