Wilson Pickett "Best Of Scepter"
暑いときは辛いものを食べる、熱いものを食べる。
音楽も同じで、こういうときはど迫力のディープ・ソウルを聴くのだ。
冬の夜空に寒々としたスウィート・ソウルがあうのの裏返し。
というわけでウィルソン・ピケット。
ファルコンズを経て、ソロの最初期の録音集。
The Best Of Wilson Pickett Wilson Pickett (Scepter CTN 18016)
内容の前にこのLPのジャケットとタイトルについて。
完全な騙し商売。
ゴールドディスクをあしらい、ベスト・オブ・ウィルソン・ピケットを謳う。
Atlantic以前のDoubl-L時代で、ベストもなにもこれくらいしかこのレーベルに録音はないだろう。
「ダンス天国」や「イン・ザ・ミッドナイトアワー」や「ムスタング・サリー」を期待して買ってしまった人にはお気の毒というしかない---いや違う。それは幸いなのかも。
Atlantic時代、特に南部録音の頃のソウルの頂点を極めたサウンドとの絡みあいと比べれば落ち着いてはいるが、ピケットの歌は最高。本当に歌がうまい。
収録は全11曲。Double-Lの7インチ3枚6曲はすべて入っている。
01 If You Need Me
02 I'm Gonna Love You
03 Baby Don't Weep
04 Peace Breaker
05 I'm Down To My Last Heartbreak
06 Robert's Monkey Beat
07 I Can't Stop
08 I'll Never Be The Same
09 Baby Call On Me
10 Give Your Lovin' Right Now
11 It's Too Late
このうち(6)の"Robert's Monkey Beat"はインスト。
バラードが素晴らしく、この時代を代表する(1)や(11)はもちろん、(10)も素晴らしい。(11)の冒頭のギターはたまらん。これで全編いってくれたら悶絶だが。
あと(8)はピケットが猫なで声で歌っていて気色悪い。それがだんだんと気持ちよくなってくるのは暑さボケのせいか。
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