Ashford & Simpson "Street Opera"
一日違いでジェリー・リーバー(マイク・ストーラーの片割れの彼ですよ!)の訃報も届き、両者の追悼の夕べに。
ジェリーについて書くのはとても僕の分では及ばないので、ささやかにアシュフォードのレコードを取り上げる。
Street Opera Ashford & Simpson (Capitol ECS-81504)-1982-
※レコード番号は国内盤(東芝EMI)のもの
二人が前作までのワーナーを離れキャピトルに移籍した第一弾アルバム。81~83年くらいは僕が最もリアルタイムでソウル/ブラコンを聴いていた頃なので、当時の音にひたるだけで幸せな気分になってくる。
そうしたサウンドに裏打ちされた二人の楽曲、歌唱とも申し分なし。
B面が「ストリートオペラ」と題された5曲のコンセプトになっている。なんとなく嫌な気がする(笑)が、それぞれの楽曲は美しく、さらにB面全体で13分しかない(笑)ので苦痛なく聴きとおせる。
それでは全曲紹介。
SideA
1. Love It Away
2. Make It Work Again
3. Mighty Mighty Love
4. I'll Take The Workd On
SideB
5. Working Man
6. Who Will They Look To
7. Street Corner
8. Times Will Be Good Again
9. Working Man (Reprise)
軽快な1でスタート。二人の歌は力強さはないがツボにはまっている。なにかしらシンガー・ソングライターらしさがうかがえるように思う。
2はリズム・スロー。リフレインの楽しさについ微笑んでしまう。
3はベースを効かせちょっとファンク風味をまぶした感じ。これもいい。
一転して4は極上のスロー。この美しさはスウィート・ソウル。ダイナミック・スペリオアーズあたりに歌ってほしい。(彼らの代表曲「シューシューシャイン」はこの二人の手になるもの)
そしてコンセプトサイドのB面。
僕は貧しい労働者に過ぎない君を一生大事にする力なんてないんだと歌う5でスタート。 シンプソンは「それは私が判断することよ」と優しく受ける。
6で不思議な展開を見せる。シンプソンは「小さい子供たちにはあなたが必要よ」と歌うのだが、それは二人の子供なのか、それともどちらかの連れ子なのか、なにかよくわからない(笑)。歌詞を考えずに楽しむのが吉か。
7はシングルカットされた曲なので独立して楽しむこともできるダンサブルなナンバー。シンプソンが「ストリートに出れば男たちが私に言いよってくる。でも私にはそんなものは不要よ」と歌う。それにこたえるアシュフォードは「僕は君を楽しませる薬を持っているぜ」などと物騒なことを歌う。ただし、そんな刹那的なものを得たら失うものが多すぎると続いて、とりあえず安心?
8でドラマティックな展開。結局二人は別れてしまう。ただし再会を約しながら。アシュフォードはひとまわり大きくなって帰ってくると歌い、シンプソンは待っているわと応える。
9で5のワーキングマンをくりかえして終わり。
B面のストーリーを追うのは正直疲れるが、きっといつか帰ってくると歌うニコラス・アシュフォードの声に今夜は感じるところがある。
素晴らしい仕事を残してくれた彼に合掌。
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