The O'Jays "Travelin' at the Speed of Thought"
いや、現在にいたる全ての時期の彼らのアルバムのなかでもワーストいくつかに入るくらい評価されていない。
Travelin' at the Speed of Thought The O'Jays (Phill.Int. P2-34684)-1977-
まずジャケットがよくない。
アルバムでいうと"Ship Ahoy"(73)、"Family Reunion"(75)、"Survival"と妙なイラスト三部作があり(※英国ライブ盤をはさんでいるが)、そして写真とはいえ前作"Message in the Music"(76)で妙なヘンテコ感がピークに達した。
そこから一転して、やる気を感じさせないメンバー写真。
これは時代の移り変わりが背景にある。友愛を説くギャンブル=ハフの説法が通用したのは1976年までということだろう。
このアルバム以降、見事にオージェイズのアルバムは単なるメンバー3人の写真へと変わる。
ただそれにしてもこのジャケットはつまらない。なんとなくCBSが出すベスト盤にありそうな色合い。
そしてジャケは内容に通じる。
良くも悪くも、押しつけがましい主張が感じられない曲ばかりで魂の高揚に欠ける。
しかしアルバムとしては、これの次の"So Full of Love"(78)は、出色の曲を含んでおり、決してオージェイズが駄目になったわけではない。
なにをしたらよいのかギャンブル=ハフが自らを見失った時期の盛り上がらない一枚ということなのだろう。
以上、さんざんけなしてきたが、最悪いというわけじゃない。オージェイズの歌はばりばりだしギャンブル=ハフ、マクファデン=ホワイトヘッドの作った曲が退屈ということもない。
あまりに高い内容だった70年代のオージェイズ基準に照らせば、格がひとつ劣るということ。
ポピュラーミュージックの大定番"Memories"の通俗的なカバーが入っているのがソウルファンには印象をことさら悪くするのかもしれない。
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