Dorothy Moore "Winner"
時期的に正道のソウル・シンガーとしてはバックの音が辛い。しかしドロシーの歌にはかげりなく、それなりに聞き所があるアルバムだと思う。
Winner Dorothy Moore (VOLT V-3405)-1989-
プロデュースは前作TIME OUT FOR ME(1988)に引き続きF.L.ピットマン。
-Side A-
1.Didn't Take The Time
2.Already Spoken For
3.Are You Ready
4.Rude Awakening
-Side B-
5.Winner
6.I Thank You
7.In My Pocket
8.Always So Close
1はなんとニュー・ジャック・スウィング風。完全にテディ・ライリーしているわけじゃないけれど当時の流行に色目を使ったアレンジ。決して悪い出来ではないがニュー・ジャックスが苦手な僕にはちときつい。
一転して2はインディ・ソウル臭いディープなミディアム。シンセドラムやシンセの音がチープ。しかしなぜかそれにドロシー・ムーアの声があう。インディの音に抵抗がないのなら、これはお勧めの一曲。
3のミディアム・バラードもいい曲。ただ前半ドロシーの声が不安定に聞こえる。そこにはらはらして曲への集中がそがれる。後半盛り上がってくると安定してきて、余裕の語りも入り安心安心。
4はブラコン風。ドロシーの歌はいいが、曲に特徴がないのが残念。
5はアルバム・タイトル曲。雄大というか華やかなアレンジが僕にはいまひとつ。ドロシーの歌が上にひっぱられ地に足がついていないように聞こえる(我ながら変な表現)
6はじっくり歌われたバラード。ひねりも何もないアレンジのバックだが、やりすぎ感があるこれまでの曲よりは遙かにいい。
7はミディアム・ダンサー。ドロシーの歌は張り切って聞き所はあるが、やはりバックが邪魔。
アルバムをしめくくるバラードの8。アレンジが当時の売れ線ロックっぽいが、歌は気合い十分。
以上、ドロシー・ムーアの歌は総じていい。ロック風だったり、煮え切らないニュー・ジャックスだったり、難しい時代だなと再確認させられる音なのは残念。
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