Milt Matthews Inc.
彼の代表作はH&Lから1978年に出た"Milt Matthews"。
そこでは妖しいヒゲ面だが、今日とりあげるLPはおそらく1970年頃、ジャケットの写真もいかにも若い。
Milt Matthews Inc. Milt Matthews (Commonwealth United Records CU6005)
若いだけじゃなく変な格好をしている。南米のインディオによるフォークロアかと思ってしまう(笑)
このジャケットから想像できる通り生ギターを使った曲が印象的、そしてこのジャケットから想像できないが十分にソウル。
それでは全曲紹介。
-Side A-
1.Gotta' Find My Way Yo Mary
2.I'm Gonna Get'Cha
3.Treat Daddy Right
4.The Feeling Of Love
5.Little Green Apples
-Side B-
6.It Ain't Your Fault
7.Sweet Betsy Marie
8.Chick-A-Poo Land
9.Route 21
10.Gone To My Baby's House
11I'm The Man To See
5の名曲カバーをのぞき全てミルト・マシューズの自作。
柔らかな声でしっとりと歌いこむ1でスタート。バックのオルガンがいい感じ。
2はかっこいいリズム物。メロディもよく、歌の歯切れもいい。ベストトラック。
3は生音のギターに強調されたベースラインのミディアム。フォーキーな感じであり、このジャケットの雰囲気にあっている。フリーソウル的でもある。かなりいい。
4は勢いのあるファンクナンバー。ドラム大忙し。マシューズの歌は適度なディープさと軽さをあわせ持っていて、くどくならないのがいい。ただ途中でマイナーなメロディに転調するところがやりすぎかも。
5はエバーグリーンな名曲をギターとピアノを中心にフォーキーにカバー。木訥とした良さあり。
LPをひっくり返してB面。6はまずまずのミディアム。悪いところはないが目立つところもないかな。
7はフォーキーなバックに、けっこうシャウトするサザン・ソウルナンバー。アラを探すとバックのリズムがやや弱いかも(サザンソウル的には)。
8はカーティス・メイフィールド的な適当シャランシャランギターの曲。歌もそれにあわせ猫撫で声。
9はジャンプ、10はオルガンをフィーチャーした聴かせるバラード、ただ歌にもう少し力を入れたほうがいいという気はする。
びしっとしたA面に比べ、どうもB面はインパクトが弱いが、最後の11はいい。歌に力が入っている。ローカルっぽさも良い雰囲気をかもしだし悪くない。
マシューズはうまいシンガーだと思う。曲によって声の出しかたを使いわける。あるときはシャウト、あるときは猫撫で声。ただ迫力に欠けるきらいがあり、器用貧乏に陥る弊があるかも。
まあそれも若さゆえということで、このアルバムは十分楽しめると思う。
裏ジャケットより、童顔時代のミルト・マシューズの写真を貼っておく。
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